クルマが壊れる3つの原因 故障のパターンとこれからの自動車社会に起こる変化:高根英幸 「クルマのミライ」(1/5 ページ)
クルマのメンテナンスフリー化が進んでいる。新車から5年はオイル交換のほかは、燃料給油とタイヤの空気圧を管理する程度で走り続けることが可能なくらい、クルマの信頼性が高まっている。けれども機械や電子部品は永久に使い続けられるものではない。
クルマのメンテナンスフリー化が進んでいる。新車から5年はオイル交換のほかは、燃料給油とタイヤの空気圧を管理する程度で走り続けることが可能なくらい、クルマの信頼性が高まっている。けれども機械や電子部品は永久に使い続けられるものではない。
一定の期間はメンテナンスを不要としているだけで、それを過ぎればメンテナンスの必要性は出てくることになる。それもモジュール化された部品(部品単体ではなく、それ自体で機能をもった部品の集合体、アッセンブリー)をまるごと交換することが多く、出費も大きくなってくる。
最近のクルマはメンテナンスフリー化が進んで壊れにくくなったが、保証期間内であっても故障することもある。そして5、6年の使用で寿命を迎える部品も出てくるため、それ以降も乗り続けるには、メンテナンスが欠かせなくなる。それでも突如として壊れて、路上で立ち往生するケースも出てくる
修理ではなくアッセンブリー交換で対応するしかなく、部品の供給が止まれば壊れたクルマを直すことはできなくなる。機能を高めながら、生産や部品の管理を容易にするために、クルマはよりシステマチックな構成へと進化しているからだ。
新しいうちは機能的で快適な走りを享受することができるが、クルマは3年や5年で寿命を終えるようなものではなく、耐久消費財だ。故障を嫌って5年で買い替えるオーナーもいるが、それはまだクルマに価値が残っているから可能になる。つまりセカンドオーナーやサードオーナーが存在するからこそ成り立っているのだ。そうした長いクルマのライフの間には故障することもある。
結局、長い車齢の間に故障しないことは、ほぼあり得ない。小さなマイナートラブルで済めばラッキーだが、昨今は前述のモジュール化もあって、結構な出費を強いられることも珍しくない。
関連記事
- 高くなるクルマ コスト高は本体価格だけではない
この20年、サラリーマンの給料が上がらないといわれているにもかかわらず、クルマの価格は上昇していく一方だ。軽自動車でも200万円が当たり前の時代。クルマを買い替えよう、あるいは新たに購入しようと思った時、感じたことはないだろうか「クルマって高くなったなぁ」と。 - なぜクルマには半導体が必要なのか? どうなるクルマと半導体のミライ
改めていうまでもないのだが、EVやハイブリッド車は当然として、純エンジン車にとっても半導体は欠かせない部品だ。それでもこの半導体というモノ自体が何なのか、今一つクリアになっていない。さらに深層へと迫ろう。 - シフトレバーの「N」はなぜある? エンジン車の憂うつと変速機のミライ
シフトレバーのNレンジはどういった時に必要となるのか。信号待ちではNレンジにシフトするのか、Dレンジのままがいいのか、という論争もかつては存在した。その謎を考察する。 - 高速道路の最高速度が120キロなのに、それ以上にクルマのスピードが出る理由
国産車は取り決めで時速180キロでスピードリミッターが働くようになっている。しかし最近引き上げられたとはいえ、それでも日本の高速道路の最高速度は時速120キロが上限だ。どうしてスピードリミッターの作動は180キロなのだろうか? そう思うドライバーは少なくないようだ。 - アイドリングストップのクルマはなぜ減っているのか? エンジンの進化と燃費モードの変更
アイドリングストップ機構を備えないクルマが登場し、それが増えているのである。燃費向上策のキーデバイスに何が起こっているのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.