パワハラを根絶するために知るべき“5つのポイント”:働き方の「今」を知る(2/8 ページ)
パワハラ被害に関するニュースが後を絶たない。どうすればパワハラはなくなるのだろうか? パワハラ被害を未然に防ぐ方法、パワハラが起きてしまった際の対処法などを、ブラック企業アナリストの新田龍氏が5つの項目にまとめて解説する。
1-3.企業活動への悪影響
法的なリスク以外にも、企業活動にネガティブインパクトを与えるリスクは多々ある。主なものは、以下の2点だ。
・職場環境の悪化リスク
従業員がパワハラ行為を受けることによる直接的な被害が甚大なのはもちろんだが、周囲のメンバーがパワハラ行為を目の当たりにしたり、組織上層部が事態を解決しようとしない様子を見たりすることで、メンバーは組織のコンプライアンス意識の低さや自浄作用のなさに愛想を尽かし、モチベーションが低下する。
その結果、作業ミスの増加、生産性の低下、うつ病罹患者・休職者・退職者の増加などが考えられる。これらにより業績にも大きなネガティブインパクトを与える可能性がある。
・レピュテーション(評判)リスク
パワハラが行政指導や社名公開、訴訟、マスコミ報道などへと発展することで、SNSや会社口コミサイトなどを通して「あの会社、パワハラが横行するブラック企業らしい」とのネガティブな情報が急速に拡散する。
結果として「炎上」や「風評被害」などのレピュテーション(評判)リスクに直結し、求人募集や取引先拡大において悪影響を及ぼす。最悪の場合、現行の取引先からも「コンプライアンス体制が整備されていない未熟な会社」と評価され、取り引きが打ち切られることにもなり得る。
ネットが発達した昨今においては特にレピュテーションリスクによる企業の社会的イメージ悪化は、もう取り返しのつかない事態となるだろう。普段、対外的に「ダイバーシティー」「健康経営」「SDGs」などと、耳に聞こえのよいトレンドワードを掲げている所こそ反動は大きい。そもそもパワハラを発生させないよう、日々の地道な取り組みが求められるのだ。
2.パワハラを未然に防ぐには?
このように考えると、パワハラは組織崩壊に直結する不祥事であり、発生してから事態を収拾しようとするのは困難だ。芽のうちにつみ取り、完全に撲滅しなければならない。そのために必要な4つのステップを紹介していこう。
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