パワハラを根絶するために知るべき“5つのポイント”:働き方の「今」を知る(6/8 ページ)
パワハラ被害に関するニュースが後を絶たない。どうすればパワハラはなくなるのだろうか? パワハラ被害を未然に防ぐ方法、パワハラが起きてしまった際の対処法などを、ブラック企業アナリストの新田龍氏が5つの項目にまとめて解説する。
(4)過大な要求
長期にわたって過酷な環境下での勤務を強要したり、必要な教育を行っていないのに達成困難な目標を課して未達に対して強い叱責をしたり、業務とは関係のない私用の雑用処理などを強制したりすること。
テレワーク環境下では、頻繁な業務報告や過度な即返信の要求、深夜のWeb会議やチャットでの呼び出しなどが該当する。また、部下からは切り上げにくいオンライン飲み会を開催し、上司の話を聞くよう強要することも、「業務上不要なこと」に当てはまる可能性がある。
一方、労働者を育成するために、現在の能力よりも若干高いレベルの業務を任せたり、業務の繁忙期に業務上の必要性から、当該業務の担当者に通常時よりも一定程度多い業務の処理を任せたりすることは、パワハラではない。
(5)過小な要求
懲罰として、普段はしないような雑用をさせたり、気に入らない部下に嫌がらせするため、仕事を与えずに放置したりすること。テレワーク環境下では、誰でもできる単純作業をさせたり、仕事を与えていないのに成果がないことを理由に低評価にしたりすることが該当する。
一方、労働者の能力に応じて、一定の業務内容や業務量を軽減することはパワハラではない。
(6)個の侵害
労働者を職場外でも継続的に監視したり、労働者の性的指向や病歴など機微な個人情報について、本人の了承を得ずに他者に暴露したり、私物を無断で写真撮影したりすること。テレワーク環境下では、オンライン会議中に従業員の部屋や家族などを見せるようしつこく要求したり、本人の同意なくZoom会議などの際に録画した映像を他者に見せたりすることが該当する。
一方、労働者への配慮を目的として、労働者の家族の状況などのヒアリングをしたり、労働者の了解を得て、当該労働者の機微な個人情報について必要な範囲で人事労務部門の担当者に伝達し、配慮を促したりすることは、パワハラに当たらない。
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