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社員に昇進を打診したら、本人が拒否──懲戒処分にできるのか?若手の8割は出世を望んでいない(1/5 ページ)

「社員に管理職への昇進を打診したら断られた」という話を、よく聞くようになりました。調査によれば、出世したいと考える20〜30代は約2割ほど。昇進を拒否した社員に、どう対応すべきなのでしょうか。

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 本記事は、2022年6月号に掲載された「社員が昇進を拒否した場合の処分。対処法を考える」を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。


 管理職へ昇進するのを拒否した社員を懲戒処分にすることはできるでしょうか。仮にできたとして、有能な人材を失うことにならないでしょうか。ここでは、社員が昇進を拒否したときの処分と、そうならないための対処法を考えます。

若手社員の約8割は出世を望んでいない?

 企業組織において社員が昇進することは、一般社員が主任、課長が部長になるなど、社内での立場や地位が上がる(いわゆる「出世する」という)ことであり、従来は喜ばしいこととされてきました。しかし、昨今は、企業の社長や人事担当者から、「社員に管理職への昇進を打診したら断られた」との話をよく聞きます。

 事実、博報堂生活総研の「生活定点調査2020年」によると、会社のなかで出世したいと考えている若手社員は20代が22.4%、30代が21.6%と決して高くありません。

 企業が優秀な社員に対して昇進を促すのは、相応のポストに就かせることにより、さらなる社内での活躍を期待しているからです。しかし、ここで昇進を拒否されてしまうと、企業側は後任者の選定に苦労しますし、昇進を断った社員側にしても、管理職としてキャリアアップを図る機会を失うことになります。双方にとって、デメリットが生じてしまいます。

 そこで本稿では、「なぜ、今時の社員は昇進を拒否するのか」「社員に昇進を拒否された場合、どう対処するか(懲戒処分にしてよいのか)」「社員に昇進を拒否されないためにはどうすればよいのか」について考えてみたいと思います。

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