プラスチック問題の解決が求められる消費財メーカー:フィデリティ・グローバル・ビュー(5/5 ページ)
国連のプラスチック汚染に関する国際条約は、海洋に流出する何百万トンものプラスチックゴミを削減する大きな一歩となりそうです。各国政府が具体的な取り組みを加速する中、フィデリティは消費財メーカーに対して、地球上最も重大な課題の1つに現実的な解決策を提供するよう働きかけています。
日本企業の取り組み
日本でもSDGs(持続可能な開発目標)への意識が高まっており、消費関連企業によるプラスチック使用の削減に向けた取り組みが進んでいます。コンビニ業界では、商品の容器や包装材料におけるプラスチック素材を紙やバイオマスなど、環境に配慮したものへと切り替える動きが加速しています。
同様の取り組みは食品・飲料メーカーでも広がっており、ラベルレス容器の導入も進んでいます。日用品メーカーでは、使用済み詰め替えパックの分別回収や、よりプラスチック使用量の少ない容器の開発などが行われています。
大手衣料メーカーでは、回収した自社製品をポリエステル原料へと再生する取り組みや、製品におけるリサイクル素材の使用比率を高める動きが進んでいます。今年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法などの規制も追い風に、企業の努力や消費者の理解がさらに進むことで、日本の脱プラス チックに向けた取り組みが加速していくことが期待されます。
フィデリティ・インターナショナル
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【ESGenius】プラスチック問題の解決が求められる消費財メーカー
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