人気拡大中のネッククーラー 誕生のきっかけは、暑いときの“ある行動”:節電や現場仕事でも重宝(2/4 ページ)
夏の猛暑は深刻だ。熱中症警戒アラートも毎日のように発令されており、日々の暑さ対策もはや必須となってきた。暑さ対策といえば、定番の扇子や日傘から最近では手持ち扇風機もよく目にするようになってきたが、ここ最近じわじわと人気が拡大している商品がある。家電メーカーのサンコーが手掛ける「ネッククーラー」だ。
缶ジュース並みに冷たくしよう
そもそもネッククーラーが冷たくなる理由は、ペルチェ素子という半導体素子にある。ペルチェ素子は、ある方向に電流を流すと、素子の片面で吸熱=冷却し、もう片面で発熱=加熱する特徴がある。しかも、ペルチェ素子を用いた冷却装置は体積が小さく、騒音や振動が発生しない。
「弊社が初めて販売した初代ネッククーラーは、このペルチェ素子を用いた冷やす部分が1つのタイプでした」(えきさん)。開発にはペルチェ素子を使用していた同社のワインクーラーやミニ冷蔵庫の仕組みを応用したのだという。
おでこや首の後ろなど冷やしたい部分に当て、クリップやバンドでとめる仕組み。「こりゃひえ〜る」というユニークな商品名と、外気温−10℃まで下がり、かつ冷たさが持続することから、用意していた2000個は完売。社内でも「これは売れるのでは?」という雰囲気になったという。
そこで、17〜18年に発売したのが「ネック冷却クーラー&温めウォーマー」だ。ペルチェ素子を1つから2つに増やし、形状は今のヘッドホンタイプとほぼ同じものになった。また、冷却機能はそのままに、ペルチェ素子のもう1つの特徴である「発熱」を活用しあたためる機能を追加し1年中使用可能とした。「こりゃひえ〜る」の2.5倍である約5000個売り上げたが、半面、課題もいくつか見つかったという。
まずは、大きさだ。「かなりごつい見た目だったので、外で付けて歩くにはしんどいし、ちょっと不便だという声を多くいただきました」(えきさん)。また、新規で追加したあたため機能についても、マフラーやコートがあるのでいらないという結論に至った。ここから冷却機能の向上と、小型化への取り組みが始まった。
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