全国を旅する“サウナバス”を走らせてみて、分かったこと:ホームタウンで営業できない!?(3/3 ページ)
3月に営業を開始した、移動式サウナバスの「サバス」が話題だ。引退した路線バスを利用したサウナで、運転席側が休憩室、奥側がサウナ室となっている。「サバス」を全国に走らせてみて、分かったこととは? リバース代表の松原安理佐さんに話を聞いた。
「バスを使ったビジネスを、他のバス会社さんに提案していきたいと考えています。1台目は一番面白く、話題になるものが良いと思ったのでサウナバスを採用しました。サウナバスは話題作りの面でとても成功したと思います。だからこそ、次のステップがすごく大事だと考えているところです」
次に開始を控えているのは、託児バスだ。売り上げに悩み、新規事業をやりたいと考えたタクシー会社と意気投合した。共同でバスを作り上げ、サービス開始に向けて動き出しているという。
「例えば毎年夏になると、お子さんが車の中で熱中症になってしまって……といった事故が発生しています。(そうした背景から)買い物や病院、美容院に行く間など、1〜2時間、安全な場所でお子さんをお預かりするサービスができたらと思っています。人が集まる商店街や商業施設などで営業できたらいいなと思い、進めているところです」
他にもバスの中で食事できるレストランバスなど、さまざまなアイデアを温めている。
松原さんは、引退したバスを活用することで企業の新規事業を盛り上げるだけでなく、社会課題の解決や、地域活性化、遊休地の活用、災害対策など、さまざまな良い影響を社会に与えていきたいと説明する。
「こうした移動する施設をどんどん作っていきたいです。何もない場所でも、当社のバスが来ることで目的地になる、というサービスを作れたら面白いなと考えています」
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