御三家から新々御三家まで! 高級ホテル「外資VS.日系」の歴史:瀧澤信秋「ホテルの深層」(4/5 ページ)
日本政策投資銀行関西支店が、関西で新型コロナウイルスの収束後、1泊10万円超の高級ホテルの客室が約1300室足りなくなるとの試算を公表している。ところで、ラグジュアリーホテルとは何を指すのだろうか。ホテル評論家の瀧澤氏によると……
日系施設のクオリティーも注目
東京の高級ホテルシーンは、外資が席巻していく様相を呈してきたわけであるが、外国人旅行者の取り込みという点においても、確かに内資系(以下、日系)ホテルは辛酸を嘗(な)めてきた。一方で、近年では日系ホテルもクオリティーの高い施設を誕生させている。
16年に、旧赤坂プリンスホテル(赤プリ)の跡地に建設された「東京ガーデンテラス紀尾井町」の30〜36階には、「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が開業。外資との提携も発表された。同年、星野リゾートの最上級ブランドである「星のや」の都心進出も話題になった(星のや東京/大手町)。
いすれも立地やコンセプト、インテリア、サービスなど特別感があふれており、外資系チェーンがクローズアップされてきた中で日系施設のクオリティーも注目され、宿泊業界における「外資VS.日系」の構図と話題になった。
そして、ホテルオークラ東京の本館が15年に閉館、19年建て替えが完了し「The Okura Tokyo」として再開業した。帝国ホテル 東京も24〜36年にかけて建て替えが予定されている。満を持してとでも言おうか、元祖御三家は外資ラグジュアリーにはない伝統と格式に加え、クオリティーホテルとしての実力も発揮しようとしている。
東京の地図を広げつつホテル高級シーンを振り返ってみると、外資を中心に注目のエリア毎に特色あるラグジュアリーなホテルが存在している。まさに「東京ホテル群雄割拠時代」をあらためて感じる。
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