「ハゲはセクシー」な国もあるのに、なぜ日本人は恥ずかしがるのか 背景に「加藤茶」と「アデランス」:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
脱毛ビジネスが好調である。男性だけでなく、子どもも脱毛エステに通っているとかで。空前のブームがうかがえるわけだが、欧米で注目されている「ハゲ」も、日本で定着するのだろうか。
待ちに待った“時代”がやってくる?
そのように聞くと、「いよいよオレたちが待ちに待った“時代”がやってきたのでは」と心の中でガッツポーズをする男性諸氏も多いのではないか。
どんな時代かというと、「ハゲはセクシー」と言われるような時代だ。
手足や胸に毛がない“ツルツルな男”こそが清潔で美しいということが社会の常識になれば、ツルツルにハゲあがった頭も清潔で美しいというところまであと一歩である。つまり、今の勢いで日本の「脱毛ブーム」が進んでいけば、いずれ「ハゲはセクシー」「ハゲは清潔」という時代が到来する可能性があるのだ。
このような熱弁を振るうと、「気の毒に……ハゲに悩みすぎたせいで、おかしな妄想を抱くようになってしまったのか」と筆者のメンタルを心配してくれる人も少なくないかもしれないが、これは妄想などではなくそれなりに根拠のある話なのだ。
日本社会ではなんやかんやいっても「ハゲ」はいまだに、他人から笑われる恥ずかしいもの、みすぼらしいものというイメージが強いが、実は世界ではそのような国は少数派で、むしろ「ハゲはセクシー」というイメージのほうが多いのだ。
例えば、英国のネットメディア「UNILAD」の「Nearly Half Of Women Find Baldness Sexy」によれば、英国と米国で行われた合同オンライン調査では、女性の半数近くが「ハゲはセクシーだから好き」と回答したという。(参照リンク)
確かにこの調査結果を裏付けるように米国や英国では、英国王室のウイリアム王子、ハリウッド俳優のブルース・ウィルス、映画『ワイルドスピード』シリーズで知られるヴィン・ディーゼルやジェイソン・ステイサムなど「ツルツル頭」でセクシーだと評される著名人が多いのだ。
では、なぜこれらの国で「ハゲはセクシー」になったのか。まず大きいのは、もともと欧米ではハゲをそこまで恥ずかしいことではないという価値観だが、実は「ツルツル肌人気」も無関係ではない。
全身脱毛サロンを運営するヴィエリスの海外男性に関する脱毛レポート(20年9月9日9日)によれば、米国人男性の69%がアンダーヘアを整えており、そのうちの17%は「ハイジニーナ」という完全にツルツルした状態だという。また、英国人男性の57%がアンダーヘア脱毛を、42%がワキ脱毛をしている。オーストラリアでも70%の男性がムダ毛を処理しているというデータがある。
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