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北朝鮮発のサイバー攻撃に、企業はどうすればいいのか世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

北朝鮮がサイバー攻撃を強化しているとして、米国のリサ・モナコ司法副長官が警鐘を鳴らしている。金銭目的で攻撃を繰り返す北朝鮮に、どう立ち向かうべきなのか。

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報奨金を2倍の1000万ドルに

 現在、北朝鮮はランサムウェアに限らず、サイバー攻撃を世界各地で活発に行っている。確認されているだけで、東欧の国々に攻撃を仕掛けていて、以前から対象にしていた暗号資産取引所を、引き続き攻撃している。

 米政府は3月に、北朝鮮政府系ハッカーの情報に500万ドルの報奨金を出すと発表したが、先日、その報奨金を2倍の1000万ドルに引き上げている。それほど、北朝鮮の攻撃が脅威になっているということである。


もしも日本で同様の攻撃が起きたら……(画像はイメージ)

 日本で同様の攻撃が起きた場合、国が何かしてくれるのだろうか。残念ながら、FBIのように身代金を回収するなんて芸当はできない。これまで通り、基本的に「支払いをしない」方針で進めていくしかない。警察庁が新設したサイバー攻撃捜査を担う「サイバー警察局」で、民間企業などと協力しながら捜査を強化するしかないのかもしれない。

 とはいえ、米国などで稼げなくなっていけば、北朝鮮の攻撃が日本に向くようになるのは想像に難くない。そろそろ国家だけでなく企業も、真剣に対策に乗り出す必要がある。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。

Twitter: @yamadajour、公式YouTube「SPYチャンネル


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