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五島列島の「未利用魚」を商品化 犬猫用フードが人気に:ペットフードで島おこし(1/2 ページ)
ペット関連事業を行うTOTTOは8月9日、犬猫用のフード「TOTTOジャーキー(アイゴ)」の再販を開始した。価格は1袋50グラム入りで1300円。
ペット関連事業を行うTOTTO(大阪府貝塚市)は8月9日、好評につき販売中止になっていた犬猫用フード「TOTTOジャーキー(アイゴ)」の再販を開始した。五島列島の「未利用魚」を商品化した無添加フードで、価格は1袋50グラム入りで1300円。
「未利用魚」問題を抱える五島列島、ペットフードで島おこし
水産業界では近年、売れない魚や地域限定で利用されている魚、利用される以上に獲れる魚を示す「未利用魚」の大量廃棄が課題となっている。数が少なくサイズが小さい、加工が難しいなどが理由で、FAO(国連食糧農業機関)が2020年に発表した報告書によると、世界で漁獲された魚のうち35%は、廃棄されている。
長崎県の西部に位置する五島列島でも、未利用魚の廃棄問題が地元漁師の悩みの1つとなっている。五島列島での釣りが好きで大阪から五島列島の福江島へ移住した遊漁船の藤田優雅船長は、近海で釣れるアイゴが大量に破棄されているのを目の当たりにしたという。アイゴは21年1カ所の定置網だけで、2トン前後の廃棄処分が出ている。
アイゴは「鯛にも勝るうま味」といわれるほど地域によっては高級魚とされながらも、毒のあるトゲのせいで厄介者とされている。これを「なんとか活用できないか」と、藤田船長の幼なじみだった竹本大助さんがTOTTOを設立。20年9月に開発を開始し、人間の食用ではなくペット向けならば処理時間をそれほど気にせずに済むため、魚をペットフードにする事業に乗り出した。
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