洋服の青山の“1万円スーツ”、実は「男女兼用」「災害対策」だった!? 知られざる開発秘話:3分インタビュー(2/3 ページ)
青山商事が手掛ける高機能セットアップ「ゼロプレッシャースーツ」が好調だ。税込1万円以下で購入できる高機能スーツで、サイズによっては“ほぼ完売”状態となるほど人気という。他社製品とは何が違うのか、担当者を直撃した。
女性からも支持される
――男性用の商品かと思いましたが、女性も着用しているのですね。
高橋: はい。製品の型は性別を問わないパターンを採用しています。ゼロプレッシャースーツの原型となったモデルは、もともと「災害対策に貢献できる商品」として進めていたものでした。
当社は広島に本社を構えていますが、2018年には西日本豪雨があり、災害時にも役立つ商品を作りたいとの構想がありました。災害時には、性別を問わないアイテムの方が役に立つとの考えから、男女共に着用でき、避難所などでもストレスなく着られる商品をとの構想を持っていました。
その構想を応用したのがゼロプレッシャースーツです。年齢や性別を問わず、誰もが快適に着られることをベースに、ECサイトでも安心して買える価格帯や選びやすいサイズ感を追加し、お客さまへのリーチがより近い商品をつくる方向性へと変化しました。
――初回モデルと新モデルの違いは何ですか?
高橋: 従来のモデルでは、水着などに使用される旭化成のストレッチ繊維「ROICA(ロイカ)」を使ったニット生地を採用しました。機能面や価格帯はもちろんですが、『スーツに水着素材』というインパクトもあり、多くのお客さまに好感を持っていただきました。
ただ、どうしても光沢感や素材感に特徴があるので「ちょっと私の仕事に合わない」「着るのには抵抗あるな」という声もありました。そこで、新モデルでは、素材を東レの「フィラロッサ」に変更しています。光沢感を抑えたことで通年で着用でき、仕事服としてより使いやすい落ち着いた印象に仕上げました。
また、肩の袖付けにもこだわっています。従来品と見比べたら分かるのですが、従来品には、布の端をテープ上の布でくるむ“パイピング”という処理を施しています。見た目がきれいになる利点があるのですが、どうしてもストレッチ性が制限されてしまいます。
新モデルでは、よりストレッチ性を持たせるため、パイピングをあえてなくし、シャツと同じような縫い方としました。
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