洋服の青山の“1万円スーツ”、実は「男女兼用」「災害対策」だった!? 知られざる開発秘話:3分インタビュー(3/3 ページ)
青山商事が手掛ける高機能セットアップ「ゼロプレッシャースーツ」が好調だ。税込1万円以下で購入できる高機能スーツで、サイズによっては“ほぼ完売”状態となるほど人気という。他社製品とは何が違うのか、担当者を直撃した。
縫製技術でストレッチ性を向上
――スーツではあまり見ない縫製ですね。
高橋: このような技法は本来、スーツの工場が苦手とする部分です。一方で、カジュアルウェアを手掛ける工場は、スーツの立体的な製法は苦手としています。
当社は小売業なので自社工場は持っていませんが、50年近くお付き合いをしている工場がたくさんあります。業界の中でも一番多くスーツを販売していますので、年間を通して同じ工場に製造を発注し続けていて、当社が求める技術を育てる環境ができています。
長いお付き合いのある工場に協力してもらいながら、立体的だけど動きやすいという縫製技術を取り入れて製品を作り上げています。
安いものをとにかくたくさん売りたいわけではありません。シャツのような平面的なつくりでコストを削減するのではなく、洋服の青山独自の立体的な人体工学を考えたものづくりは維持したいと考えています。
安価なエントリープライスの商品でお客さまを囲い込むのではなく、通常のスーツを着ながらも、たまには楽したいというときに着用できる“2着目のスーツ”として展開しています。
――今後の展開を教えてください。
高橋: ゼロプレッシャーというコンセプトに沿ったアイテムとして、コーディネートできる商品の展開を考えています。今年の冬には、コートの発売も予定してます。
シリーズとして急拡大するわけではなく、本当にお客さまに満足してもらえるアイテムができた段階で打ち出したいと思っています。
――ありがとうございました。
(終わり)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ビジネスホテルの“無料朝食”、気になる原価は一体いくら? 激化する“朝食合戦”から見るホテルの今
ホテルが朝食で特色を出そうとしていることは、宿泊者としてひしひしと感じる時がある。新たな施設の建設やリノベーションを施せば特色は強く打ち出せるが、コストはバカにならない。朝食は差別化のアイテムとして取り組みやすい部分なのだろう。
快活CLUBは、セブンのようになるかもしれない 親会社のAOKIを追い越す日
AOKIHDが「スペースクリエイト自遊空間」を運営するランシステムと資本業務提携を締結し、6月8日付で連結子会社化する方針が発表された。実はこの2社、意外な前身を持ち、時代の変化による業態転換で今のかたちとなったことをご存じだろうか。
御三家から新々御三家まで! 高級ホテル「外資VS.日系」の歴史
日本政策投資銀行関西支店が、関西で新型コロナウイルスの収束後、1泊10万円超の高級ホテルの客室が約1300室足りなくなるとの試算を公表している。ところで、ラグジュアリーホテルとは何を指すのだろうか。ホテル評論家の瀧澤氏によると……
SUV専用タイヤが靴底に 洋服の青山とブリヂストンが作った革靴は何が違うのか
青山商事が、ソールにSUV用タイヤのトレッドパターンを採用した革靴を発売している。
一杯2000円のつけ麺が物議! プライシングの専門家がそれでも「安い」と話すワケ
神奈川の人気ラーメン店「らぁ麺 飯田商店」の価格改定がSNS上で物議を醸している。そのワケは、ラーメンが1600円、つけ麺が2000円と、従来のラーメン業界からするとかなり強気ともいえる設定にある。ラーメンの価格が多様化する中、適正価格が果たしていくらなのか、プライシングの専門家が解説する。


