ゲームは「無料」から「稼ぐ」時代へ Play to Earnゲーム台頭の裏側(前編)(1/2 ページ)
日本を代表するゲーム会社がこぞって、Play to Earnゲームに注目している。Play to Earnゲームとは、プレイすることで稼げるゲームのことだ。Play to Earnゲーム台頭の背景は、立脚するブロックチェーンまわりの動向も複合的に絡むものである。Play to Earnゲームの実例に触れながらその背景を探ってみたい。
ブロックチェーンゲーム、またはPlay to Earnゲームと呼ばれるゲーム領域への関心が高まっている。ブロックチェーンを活用することで、プレイするとお金が稼げるゲームのことだ。これはどんなもので、なぜ今注目されているのか。ビットバンクでPlay to Earnゲーム関係の事業開発やアライアンスを担当する桑原惇氏による寄稿。
日本を代表するゲーム会社がこぞって、Play to Earnゲームに注目している。Play to Earnゲームとは、プレイすることで稼げるゲームのことだ。通常、ブロックチェーン技術に基づく暗号資産やNFTを活用し、お金を稼ぐ要素があるゲームのことを指している。
最近では、YouTubeやeスポーツの発達と共に、動画広告の収益を得たり、プロチームに所属することでお金を稼ぐことができるようになっているものの、ここでいうPlay to Earnゲームは、そもそもゲーム内に稼ぐための機能が備わっている点が異なる。
各社が取り組むPlay to Earnゲーム
Play to Earnを次なるトレンドと見た各社の動きは素早い。スクウェア・エニックスは2022年年頭所感の中で、ブロックチェーンを活用したゲームについて熱量高く言及している。
ゲームプレイヤーとゲーム提供者のワンウェイ形態である完成品としての「中央集権型ゲーム」に加えて、暗号資産やNFTをパブリックな経済圏としてゲームに組み込み、自律的なゲームを実現する「分散型ゲーム」将来的にポートフォリオに組み込んでいくことを戦略的な一大テーマに置いている。さらには今年5月の中期経営計画において「自社トークンの発行、管理、投資」を行う海外法人を設立するなど、より踏み込んだ計画を発表している。
積極的なゲームの新領域へのアプローチは、スクウェア・エニックスに止まらず、名だたるゲーム会社の動きも加速している。
バンダイナムコは2月にバンダイナムコ研究所CEO中谷氏がゲーム特化ブロックチェーンOasys(オアシス)の発起人として参画し、3月には同社がOasys(オアシス)に初期バリデーターとして参加する旨を発表している。バリデーターとはブロックチェーンのネットワークに接続し、ブロックチェーン上の取引が正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運営者のことだ。
4月にはバンダイナムコエンターテインメントが、Web3やメタバース企業への出資に向けて30億円規模のファンドを設立している。
セガは21年4月に同社のIPを活用したNFTのグローバル展開に向けてブロックチェーンゲーム専業開発会社であるdouble jump.tokyoと提携を行った。2月にはバンダイナムコと同様に、Co-COO内海氏がゲーム特化ブロックチェーンOasys(オアシス)発起人として参画している。
「グランブルーファンタジー」「ウマ娘」などのヒット作を生み出し続けているCygamesをグループ企業に持つサイバーエージェントは、ブロックチェーンゲーム子会社であるCA GameFiを3月に設立し、アジア・米国向けにブロックチェーンゲームを企画・開発していくと明言している。ここでいうGameFiとは、GameとFinanceを掛け合わせた造語で、ブロックチェーンを基盤として暗号資産やNFTを活用したゲームソリューションのことを指す。
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