「水道代」100円未満も? 大阪市が実施した水道基本料の免除、全国に広がる:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/3 ページ)
コロナ禍やウクライナ危機の長期化により、2022年は先行きの見通せない経済情勢と物価の上昇という2つの要因が家計の生活を脅かしている。足元では政府に対して、一律給付金の復活を求める声も広がりを見せつつある。しかし、一部の地方自治体では、国に先んじて家計支援に乗り出すところも出始めている。
コロナ禍やウクライナ危機の長期化により、2022年は先行きの見通せない経済情勢と物価の上昇という2つの要因が家計を脅かしている。
足元では政府に対して、一律給付金の復活を求める声も広がりを見せつつある。しかし、一部の地方自治体では、国に先んじて家計支援に乗り出すところも出始めている。
大阪市のユニークかつ効果的な家計支援方法とは?
大阪市では、コロナ禍や物価の高騰で影響を受けている市民生活を支援するため、22年8月分から10月分までの上下水道料金の基本料金を免除する。今回の免除は申請不要であるため、大阪市に住居を構えていれば一律で対象となる。
具体的には、1カ月あたり水道基本料1540円(上水道935円・下水道605円)の3カ月分、4620円を現金で支給するのとほぼ同じ効果となる。
実のところ、この家計支援策は5月25日に大阪市のWebページで発表されていた内容ではあったが、広く知られてはいなかった。そのため、SNS上では、8月分の検針結果があまりにも安いことで、初めて水道基本料金の免除を知った人も少なくなく、サプライズ的な家計支援として支持を集めている状況だ。
単身世帯の場合では該当期間の使用水量が10立方メートルを下回るケースも多い。それほど水を多く使わない単身世帯で、該当期間の使用水量が例えば5立方メートルであった場合、水道料金は55円程度になるようだ。
上水道と下水道の利用バランスにもよるが、10立方メートルまではおおむね1立方メートルあたり11円程度の安価な利用金額で当面は水道が利用できる。
複数世帯の場合は、1カ月あたりの使用水量が平均でおよそ20立方メートルとなる。この場合の水道料金は、これまで3388円程度であったものから1540円が差し引かれて1848円とおおよそ4割減となるようだ。
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