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なぜクルマの電装用バッテリーはリチウムにならないのか:高根英幸 「クルマのミライ」(2/4 ページ)
レース用の小型軽量な高性能バッテリーを除けば、クルマの電装用バッテリーは依然として鉛酸バッテリーが圧倒的な主流となっている。なぜか?
なぜリチウムイオンは主流にならないのか
ところがレース用の小型軽量な高性能バッテリーを除けば、クルマの電装用バッテリーは依然として鉛酸バッテリーが圧倒的な主流となっている。
リチウムイオンの高価格ぶりが問題であるというのは、いささか疑問がある。それよりもクルマの電装用バッテリーが置かれている境遇にこそ、リチウムイオンでは過酷すぎて対応できない、というのが実情だ。
真夏の渋滞などでエンジンルームが高温になってしまうと、リチウムイオンバッテリーの温度も上昇し、電解液が揮発してラミネートパウチを膨張させたり、最悪の場合は爆発、火災となってしまう可能性もある。
トヨタが長らくハイブリッド車の駆動用バッテリーにリチウムイオンではなくニッケル水素を用いてきたのも、安全性を相当に高いレベルにもっていくまでは使わないという厳しい社内規定が大きく影響している。
余談だが、中国はインフラ整備が遅かったこともあって日本よりもEVの普及が進んでいるが、その反面、電動自転車を含め、廃棄された電動車両のリサイクル処理が進まず山奥に大量にうち捨てられているらしい。ソーラーパネル同様、環境破壊も含めてこれが後々惨事を引き起こす原因とならないか、筆者は非常に危惧している。
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