中古スマホ市場に参入した欧州発サービスが好調 「Airbnbと似た」仕組みとは?:房野麻子の「モバイルチェック」(2/3 ページ)
中古スマホ市場が着実に拡大している。MM総研が7月21日に公表した国内中古スマホ市場の調査結果によると、2021年度の中古スマホの販売台数は前年度比14.6%増で212万台で過去最高となった。
法人のDXを中古端末で支援
日本の中古スマホ事業者も当然、品質を重視している。事業者の努力と工夫で、これまで中古スマホを購入してこなかった層も安心して中古スマホを購入できるようになり、中古スマホ市場が拡大してきた。それに加え、コロナ禍の影響やDX推進で法人の中古端末利用が増えている。
中古スマホのECサイト「にこスマ」を運営する伊藤忠商事グループのBelongは、21年10月から法人向けの中古スマホレンタルサービスと法人向けの買取サービスを開始した。
Belongは、コンシューマ向けの「にこスマ」で、高品質な中古スマホを提供することで高い信頼を得ている。SIMロックやネットワーク利用制限がなく、外観のコンディションが良いもの、iPhoneの場合はバッテリー残量が80%以上で、機能不良のない端末という「三つ星スマホ」のみを取り扱い、サイトにはIMEI(端末識別番号)や端末をさまざまな角度から撮影した写真を掲載。キズなども正直に見せることで納得して購入できるようにしている。
「中古端末のアングラなイメージを払拭し、誰でも安心して購入できるようにした」とBelong社長の井上大輔氏は話している。
「にこスマ」の三つ星スマホを支えているのが神奈川県座間市にある、国内最大級の中古スマホ検査センターだ。約5000平米という広い敷地に、通信キャリア、法人、個人、さらに海外拠点から回収、調達された端末が集まり、検査、復元できない状態までのデータ消去、写真撮影、配送まで、すべての工程がこの検査センターで行われている。
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