中古スマホ市場に参入した欧州発サービスが好調 「Airbnbと似た」仕組みとは?:房野麻子の「モバイルチェック」(3/3 ページ)
中古スマホ市場が着実に拡大している。MM総研が7月21日に公表した国内中古スマホ市場の調査結果によると、2021年度の中古スマホの販売台数は前年度比14.6%増で212万台で過去最高となった。
Uber Eatsの加盟店舗向け中古タブレット端末の回収、再利用
法人に提供する端末はボリュームが大きく一大プロジェクトとなるが、それも座間の検査センターを活用して行われている。コロナ禍によるリモートワークの増加、業務効率化のためのDX推進、スマホの価格高騰、半導体不足などに起因する品不足などで、Belongでは法人事業が急拡大している。社用の携帯電話やタブレットについては中古端末でも抵抗を感じない人が多い。品不足で中古端末を使ったことで、中古でも十分使えるという意識も広がっているという。
法人事例としては、NTTドコモとともに行っている、Uber Eatsの加盟店舗向け中古タブレット端末の回収、再利用事業がある。Uber Eatsは加盟店舗に注文対応のためのタブレット端末を配布しているが、加盟店が解約したり、タブレットが故障で交換となったりしたときに端末を回収。Belongの検査センターで検査、スクリーニングの後、新たな店舗に再配布している。
法人には中古端末をレンタル・販売するだけではなく、端末のキッティングやヘルプデスク、サポート業務も提供している。井上社長は「デバイスイネーブラーとして、デバイスを通じて業務改革、後方支援する」と意気込みを語っていたが、中古端末が企業のDX化で活躍できる場は今後さらに広がる模様。中古スマホ事業者のビジネスも多彩に拡大しそうだ。
筆者プロフィール:房野麻子
大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。
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