峯岸みなみが親善大使 アイドルフェス「@JAM EXPO」仕掛け人に聞くライブエンタメの実情:AKBなど全48グループが集結(2/5 ページ)
11年目を迎える@JAMの仕掛け人で、@JAM EXPOの総合プロデューサーを務める橋元恵一さんに、コロナ禍でのライブ・エンタテインメントの実情や、@JAM EXPO開催の裏側を聞いた。
ジャンルによってファンの行動に違い
――他のフェスでもVIPチケット、VIP席は一般的なんでしょうか?
いまは少しずつ増えていますが、スタート当初は一般的ではなかったと思います。海外のイベントやコンサートでは割とポピュラーな一方、国内の夏フェスでは、あまりやっていないかもしれないですね。席を用意しているフェスはあると思いますが。VIP席があまりに多いとVIP感もなくなってしまいますしね。
――航空業界では、飛行機のチケットでファーストクラスはラウンジが使用できたりサービスが良かったりという差をつけて、ビジネスやエコノミーなどよりも価格を上げる手法は定着していますね。近年では、一部の演劇などでも取り入れられていますが、音楽ライブやフェスでの採用は先進的なのでしょうか?
私たちは、2014年から導入していました。当時は、他のイベントではあまり見かけることがありませんでしたが、アイドルフェスでは一般的になってきました。その他に前方で観覧できる、グッズをつけてプレミアム感を出す手法も取り入れています。
――その他の収益を得る方法として、例えばフェスの公式Tシャツなどの物販なども考慮していますか?
これは、面白いのですが、ロックフェスなどであれば、Tシャツのバックに、開催日、場所、出演アーティストがずらりと並んでプリントされたものがありますよね。ロックファンの皆さんは、記念に買っていく方が多い一方、アイドルフェスではほぼ売れないんです。
――面白い傾向ですね。音楽のジャンルによって、ファンの行動に違いがあるのですね。
アイドルファンの多くは、自分が推しているグループやメンバーを応援し、そこにお金を落としたいのだと思います。そういう意味でも、グループやメンバーのグッズを購入します。
また、アイドル特有かもしれませんが、グッズを買うと、おまけ(特典)がついてきて、特典会では、アイドルとインスタント写真(チェキなど)を撮れたり、会話ができたりします。
ファンはグッズを買うと同時に、アイドルとのインスタント写真を撮る、会話をするという体験や経験をするためにも、推しのグループ、メンバーにお金を使う方が多いように思います。
以前は@JAMでも、さまざまなアパレルブランドやデザイナーとコラボし、かっこいいTシャツ、かわいいデザインのTシャツも作ったりしました。しかし、結局、推しのグループやメンバーとの体験や経験にお金を落としたいファンには、何者でもない「@JAM公式グッズ」は刺さらなかったのだと思います。現在は、公式でのグッズ制作は最小限にしています。
――イベント自体に他の収益はあるんでしょうか?
原則はチケット収入ですが、その他に協賛収入があります。
通年でお世話になる動画配信サービスのミクチャさんやSHOWROOMさんなどの協賛や、他には、オンラインでアイドル関連グッズを販売している企業さんなどです。
ただ、まだコロナ禍であり、完全に以前に戻ったわけではなく、特にナショナルクライアントさんは戻ってきていない状況です。そのような状況下ですから、やはりチケット収入がメインで、チケット収入と協賛の比率は9:1程度と、やりにくい時期ではあると思っています。
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