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マネフォ、デジタルインボイス規格Peppol対応を表明 アクセスポイントも自前で運営(2/4 ページ)

マネーフォワードは8月24日、デジタルインボイス規格Peppolへの対応を表明した。さらに、Peppolの送受信に必要となるアクセスポイントも自社で開発し運営する。2022年内にはデジタル庁の認定を取得し、23年夏を目処にアクセスポイントの開発を完了する。23年10月のインボイス制度開始に間に合わせる考えだ。

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インボイスの電子化から、さらにデジタル化が必要になるワケ

 インボイス制度においてはインボイスのデジタル化は必須ではないが、作業負荷の増大を考えると実質的にデジタル化が必要になると考えられている。

 まずインボイス制度においては、これまで不要だった発行側の書類保管も義務化される。この時点で管理する紙の量が単純に2倍になる。そのため、多くの事業者が管理の容易な電子発行を選ぶと想定されている。PDFをメールに添付するようなやり方だ。

 そこに、24年1月から猶予措置がなくなり本格導入となる改正電子帳簿保存法(電帳法)も関係してくる。請求書を受け取った側は、紙か電子に一元管理したい。しかし電帳法では電子で受け取った書類は電子のまま保管することを、全事業者に義務付けている。

 そのため、インボイス制度に合わせて請求書の電子化が増加し、電帳法が紙への一元化を禁じているため、必然的に電子に一元管理するしかないわけだ。


インボイス制度&電子帳簿保存法の組み合わせは、発行側受領側ともに電子化、デジタル化が不可欠となる(マネーフォワード資料より)

 ところが、送る側も受ける側も電子化しているのに、やり取りのプロトコルが電子メール添付で、フォーマットがPDFという形はあまりに無駄が多い。「請求書のフォーマット、規格は各社でバラバラだ。現状、マネーフォワードクラウドでもかなり苦労して解析し、受け取っている」と、マネーフォワードクラウドのプロダクト戦略を担当する山田一也ビジネスカンパニーCSOは言う。

 これを解決しようという仕組みがPeppolだ。Peppolとは、請求書などの電子データをネットワークでやりとりするための規格。欧州を中心に、シンガポール、オーストラリアなど30以上の国で導入されている。日本においてはデジタル庁が中心に、Peppolをベースにした標準仕様として「JP PINT」を策定している。そこにマネーフォワードも含む関係事業者が立ち上げた「デジタルインボイス推進協議会(EIPA)」が、仕様策定に向けた協議へ参画するなどのサポートを行っている。

 このように、紙をPDFに変えたのが「電子化」だとすれば、一連の流れ自体を再構築するのが「デジタル化」だ。制度の変化によって電子化はもはや避けられない。ただし業務効率アップを目指すには、電子化で終わるのではなくPeppolのようなデジタル化が必要だというわけだ。

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