「昔はこうだった」「こうやるものだ」は禁句 Z世代と上手に働く方法:特徴から考える(1/4 ページ)
「Z世代」という言葉をよく耳にするようになった。1990年代半ば以降に生まれた世代のことを指しているが、職場でこうした世代とどのように接すればいいのだろうか。やっていいこと、やってはいけないことをまとめたところ……。
「Z世代」という言葉をよく耳にするようになった。一般的に1990年代半ば(もしくは2000年代序盤)以降に生まれた世代のことである。新卒で入社してくる人のほとんどが、このZ世代ということもあり、企業の人事・管理職の多くは、彼ら・彼女ら(以下、彼ら)への関心が高まっている。そんな「今どきの若者」をマネジメントする上で、彼らの思考や行動傾向を捉えておくことは重要であろう。本記事で、その特徴を詳しくみていく。
Z世代の3つの特徴
まずは、Z世代を知ることが大切だ。彼らの持つ主な特徴として、以下の3つを把握しておこう。
(1)「自分らしさ」を大切にする
学校教育やインターネットの情報を通して「多様性(ダイバーシティー)」「ジェンダーレス」「LGBTQ」などの知識や考え方に多く触れ、個性や多様性を当たり前のこととして受け入れているのがZ世代。そのため、「周囲と同じ」ではなく「自分らしさ」を大切にする傾向が強いと言われている。
同時に周囲の人の個性や特徴を「異質」と感じず、受け入れる傾向がある。年齢や性別などの属性にとらわれず、「一個人」として接する人が多いようだ。
(2)承認欲求が強く、「どう見られているか」を気にする
多くのZ世代にとってSNSは日常の一部である。SNSを通じて、国、年齢、性別、職種を問わずさまざまな人とのつながりを持ったり、常に新しい人との出会いを体験したりしながら、自分の考えを積極的に発信する人が多いと感じる。
SNSに投稿するような感覚で、先輩や上司に対しても、フラットなコミュニケーションで思ったことを積極的にぶつけてくることもあるかもしれない。その時は、まず彼らの声に耳を傾けよう。
一方で、他者からの評価に敏感であることや、承認欲求が強い傾向にあることもZ世代の特徴だ。SNSが一般的なコミュニケーションツールになっている彼らにとって、それを介した自己開示の機会も多い。
「面白いと思ったことを共有したい」「自分の考えや行動を受け入れてもらいたい」との思いで自分が発信したものに対し、SNS上では分かりやすく評価が可視化される。そのため、仕事においては「評価を気にしすぎる」「その評価で一喜一憂する」といったシーンにつながることもあるかもしれない。その点を考慮し、コミュニケーションを取ることも大事になってくるだろう。
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