23年間、お疲れさま! お台場の観覧車で、どんな「16分」を過ごしたのか:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
8月末、東京・お台場のシンボルが消える。再開発に伴って、「パレットタウン大観覧車」が解体されるのだ。23年間運営してきて、これまで約2100万人を乗せてきたとか。歴史を振り返ると、多くの人を“幸せ”にしていたようで……。
プロポーズの聖地
ゴンドラをグルグル逆回転させるように、時計の針をオープン前に戻す。お台場を開発するにあたって、東京都から「何か企画案をちょーだい」といった話があった。遊園地の遊具などを製造しているサノヤス・ライド社が提案したのは、「観覧車だけ」ではなかった。8種類のコースターを立体交差させて、まるで糸が絡みあったような施設をつくろうとしていたのだ。その名は「コースタージャングル」である。
すべてのコースターにイルミネーションを装着することで、「夜は幻想的な世界を演出できればと考えていました」(同社の広報、栗原一平さん)。ジャングルの中に巨大な観覧車を計画していたので、実現していたらお台場の風景もずいぶんと違っていたはずである。しかし、資金面で折り合いがつかず、計画は頓挫。結局、コースターなしパターンで建設が進み、大観覧車の奥にフリーフォール「ハイパーシュート&ハイパードロップ」を設置(2007年に終了)することに。
建設が進んでいくことになるが、完成直前は“ヒヤヒヤ”だったのだ。ご存じように、お台場は埋立地である。地盤が緩いこともあって、一般的な観覧車よりも多くの杭を深く打つ必要があった。安全に関係する書類を申請するのに時間がかかってしまって、当局からゴーサインが出たのはオープンの2日前。当時の担当者は関係部署をグルグル回っていたそうだが、記入モレなどがあれば、オープン日に大観覧車はグルグル回らなかった可能性があったのだ。
さて、大観覧車は23年も回り続けていたので、その間にさまざまな出来事があった。オープン当初は、近くのゲームセンターでコスプレのイベントが頻繁に開かれていたこともあって、アニメやゲームのキャラクターに扮した人が詰めかけていたり、ドラマやCMなどの舞台で使われたり、直近ではアニメ『ラブライブ!』の舞台になっていたこともあって、ファンがたくさんやって来たり。このほかにもたくさんの歴史がある中で、個人的に気になったのは「プロポーズの聖地」である。
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