23年間、お疲れさま! お台場の観覧車で、どんな「16分」を過ごしたのか:週末に「へえ」な話(3/4 ページ)
8月末、東京・お台場のシンボルが消える。再開発に伴って、「パレットタウン大観覧車」が解体されるのだ。23年間運営してきて、これまで約2100万人を乗せてきたとか。歴史を振り返ると、多くの人を“幸せ”にしていたようで……。
“相乗り”をさせなかった
取材当日(8月17日)、どんな人が観覧車に乗るのかなあと思って、じーっと見ていたら、カップルが断トツに多かった。そんな姿を見ていて「あー、デートかあ。こちらは、仕事。。」とモヤモヤしていたら、広報の栗原さんがこんなことを教えてくれた。
「ゴンドラの中でプロポーズをされる人がものすごく多いんですよね。以前からカップルのお客さまが多いので、『ひょっとしたら……』とは思っていましたが、想像以上に多いことにびっくりしました」と。
ゴンドラの中で告白をしている人が多いことを、どのようにして知ったのだろうか。降りてきたところをつかまえて、「ど、どうでした? うまくいった?」「どんな会話をしたの? えへへ」などと聞くわけにはいかない。では、どうやって知ったのかというと、SNSである。
確かに、ちょっと調べただけで「大観覧車に乗って、プロポーズをしたよ。もちろん、大成功!」などのコメントが多い。しかも、“いま”の話だけでなく、営業終了の報道を受けて、「昔、お台場の観覧車でプロポーズをしたなあ」といったつぶやきも多いのだ。
ちょっと話が変わるが、プロポーズはどこでされたいと思っている人が多いのだろうか。とある調査によると、「夜景スポット」「海」「テーマパーク」が上位に。大観覧車はこの3つにあてはまるといえば、あてはまるので、「プロポーズの聖地」と言えるのかもしれない。
ただ、周囲の環境がそろっているだけで、「聖地」と呼ぶには早計である。告白しようとしている人の背中を後押しする、なにかがあるのではないか。そのように考えて、再びゴンドラに乗る人たちをじーっと見ていると、あることに気付いたのである。ゴンドラの中に入るのは、1ゴンドラにつき1組を徹底していたのだ(コロナ禍中、感染リスクを考えて、2ゴンドラにつき1組に)。
先ほど紹介したように、オープン当初は5時間待ちのことも。その後も、1〜2時間待ちはザラのようにあったにもかかわらず、“相乗り”をさせなかったのである。
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