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「豪華客船」はどうなっているのか? ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染から2年半クルーズのいま(2/4 ページ)

クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス号」で起きた集団感染から、2年半が経過した。連日の報道によって全世界に大きな衝撃を与えたわけだが、豪華客船は“いま”どうなっているのだろうか。感染対策は徹底しているようで……。

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ポストコロナに向けた新様式クルーズとは

 ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染によって、船会社では感染者が発生した場合の対策にも力を入れている。

 商船三井客船のにっぽん丸は、乗船証を受け取るタイミングでサーモグラフィーによる検温を実施。客室には大型の空気清浄機を設置したほか、トイレには「フタを閉めてから水を流してください」というステッカーを貼っている。

 また船内空調をみると、客室や乗員室だけでなく、食堂やラウンジなどで1時間当たり6回の換気を実施している。ひとつのエリアに大人数が集中しないように、入場者数を制限。大浴場ではデジタルサイネージを設置して、混雑具合が分かるようにした。


船内大浴場の混雑状況をクルーズインフォメーションや客室設置テレビの船内番組専用チャンネルで確認できる

 以上のガイドラインと対策は、「感染者を乗船させない」「乗船中の感染を防ぐ」ことを目的としている。しかし、「絶対」「必ず」「完璧」はない。そのため、感染者が発生した場合の対策も必須だ。商船三井客船では、「発熱者の発見」「検温記録の管理」「有症者の早期発見、隔離、検査」の各段階で対策を用意している。

 船内に、顔認識技術に対応したサーモグラフィーを2台導入。航海中は1日1回、全ての乗客を検温するほか、多くの人が利用する施設で画像を記録。異常体温が検出された場合は、短時間で個人を判別し、その行動履歴を参照できるようにしている。


にっぽん丸で実施していたサーモグラフィーによる検温

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