「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差:働き方の「今」を知る(2/5 ページ)
「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」とは何か? がむしゃらに働いても、出世できる人とそうでない人がいる。その明暗を分けるたった1つのポイントを、解説する。
「良きフォロワーとなり、上司を出世させよ」
とはいえ、何項目もあるとそれだけで気疲れしてしまうだろうから、今回筆者がお伝えしたいのは1点だけだ。それは「良きフォロワーとなり、上司を出世させよ」である。
「フォロワー」と聞いて真っ先に思いつくのは、Twitterやインスタグラムといったソーシャルメディアにおいて、「発信者の投稿内容を見られるよう登録した人」のことかもしれない。しかし筆者が今回お伝えしたいのは「職場において、上位者や周囲のメンバーの補佐をする人」という意味での「フォロワー」であり、「リーダーシップ」と対比して語られる「フォロワーシップ」についてである。
フォロワーシップとは、「チームの成果を最大化させるために、自律的かつ主体的に、上位者や周囲のメンバーに働きかけ、サポートすること」を意味する。
ちなみにリーダーシップにおいても、「目標達成のために、チーム全体や個々のメンバーに対して働きかける」という点については共通している。しかし、リーダーシップは日本語で「指導力」「統率力」などと表現されるように、「目標達成のためのビジョンを示す」「周囲に働きかけたり、巻き込んだり、盛り上げたりして行動を促す」というニュアンスが強い。同時に「強い積極性や熱意が必要」というイメージもあるため、「自分はそんな器じゃない……」とプレッシャーを感じたり、気後れしたりしてしまう人も多いことだろう。
「ビジネスパーソンは皆リーダーシップを持つべきだ!」とはいかにも正論ではあるが、やはり適性もあるし、上述のような先入観から、メンバー全員にリーダーシップを期待したり強制したりすることは現実的になかなか難しい。
しかし、リーダーを支えながら協働するフォロワーシップという形であれば、誰でも発揮しやすく、リーダーシップとの相乗効果によって、チームワークを強化することができやすいのである。
「フォロワーシップを発揮する」とはどういうこと?
例えば、「職場の10人のメンバーで集まる飲み会」において、あなたが幹事を務める場面を想像してみてほしい。残念ながらメンバーはまとまりがなく、各自で自由に行動し、いろんな要望や文句を言ってくる。実際、あなたの職場にもこのような人はいないだろうか。
- 参加可否の連絡を放置して返事しない人
- 当日ドタキャンする人、大幅遅刻する人
- 「オレは酒を飲んでないから安くしろ」と言ってくる人
- 店の選び方や場所について、後からどうでもいい意見や苦情を言う人
──などなど。
幹事経験のある方なら、準備に協力するわけでもなく、ただ参加するだけのメンバーが勝手なことを言い出すのがいかに面倒で迷惑なことか、身に染みてお分かりだろう。
では仮に、参加する10人全員が過去何かしらの幹事経験を持つメンバーならどうだろうか。おそらく皆苦労を知っているだけに、幹事に丸投げすることなく、誰かが意見や注文をとりまとめたり、当日の運営もスムーズに進行したり、後からどうしようもない文句を言ってこないなど、各自何かしらのサポートが自然にでき、円滑に飲み会が進むのではないだろうか。このとき、幹事以外の9人のメンバーはフォロワーシップを発揮したといえる。
関連記事
- 「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ
真面目に勤めてきたが、上の世代とは違い「課長にすらなれない」──そんな状況に絶望する40代社員が増えています。減り続ける管理職ポストの実態と、深刻な賃金格差とは。「肩書きなき40歳問題」について河合薫氏が解説します。 - 「氷河期の勝ち組」だったのに……40代“エリート課長”に迫る危機
自分をエリートだと信じて疑わなかったサラリーマンが、社内の方針転換により出世のはしごを外されることがある。エリート意識や、能力主義への妄信が生む闇とは──? - “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。 - 延々と残業する部下に困っています どうしたらいいですか?
延々と残業する部下に困っています。残業時間を減らすように注意しても、あまり改善されません。どう対処すれば良いのでしょうか? - アマゾンの新しい返品方法 お金を返し、商品は回収しない──なぜ?
米国は、日本に比べて返品OKの小売店が多い。米アマゾンなどの大手小売りでは、返金するのに商品は回収しない「Keep it」という新しい返品方法が進められている。なぜ、このような手法を取るのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.