「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差:働き方の「今」を知る(5/5 ページ)
「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」とは何か? がむしゃらに働いても、出世できる人とそうでない人がいる。その明暗を分けるたった1つのポイントを、解説する。
このレベルのフォロワーシップを普段から発揮できていれば、上位者である上司はマネジメント業務の一部を任せられるようになり、上司として価値創出できる仕事にリソースを振り向けることができ、成果を挙げやすくなるだろう。
そうすれば上司もさらに上の上司から評価され、引き上げられていき、空いた上司の席に「フォロワーシップを発揮して上司をサポートし、上司を出世させた部下」が収まることになるのだ。これこそ、「上司を出世させろ」との教えの本質である。
もしあなたが直属の上司と相性が合わなかったとしても、やるべきことに変わりはない。
- 主体的に上位者をサポートでき、
- 目標達成に向けて、建設的な議論ができ、
- メンバー間で自発的なコミュニケーションを促し、認識の齟齬(そご)を解消させ、
- リーダーとメンバー間での心理的安全性とストレスのない職場環境を生み出し、
- 上位者の立場や意思決定を疑似体験することで、仮に上位者不在となっても無理なく役割を担える
──といったことができる人材を、他の部署が放っておくはずはないからだ。
本来のマネジメントとは「人に言うことを聞かせる」役割ではない。いかにチーム全体で目的を達成し、メンバー個々人がハッピーになるかが重要なはずだ。その視座をもって業務にあたれれば、見える景色も違ってくるはずである。
ぜひあなたも、上司や組織に対して「給料を上げろ」「出世させろ」と要求するよりも、周囲のメンバーたちから「いつもチームのことを第一に考えて行動してくれている○○さんにこそ、管理職になってほしい」と熱望される存在を目指されてはいかがだろうか。
著者プロフィール・新田龍(にったりょう)
働き方改革総合研究所株式会社 代表取締役/ブラック企業アナリスト
早稲田大学卒業後、複数の上場企業で事業企画、営業管理職、コンサルタント、人事採用担当職などを歴任。2007年、働き方改革総合研究所株式会社設立。労働環境改善による企業価値向上のコンサルティングと、ブラック企業/ブラック社員にまつわるトラブル解決サポート、レピュテーション改善支援を手掛ける。またTV、新聞など各種メディアでもコメント。
著書に「ワタミの失敗〜『善意の会社』がブラック企業と呼ばれた構造」(KADOKAWA)、「問題社員の正しい辞めさせ方」(リチェンジ)他多数。最新刊「クラウゼヴィッツの『戦争論』に学ぶビジネスの戦略」(青春出版社)
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