「課長まで」で終わる人と、出世する人の決定的な差:働き方の「今」を知る(4/5 ページ)
「『課長まで』で終わる人と、出世する人の決定的な差」とは何か? がむしゃらに働いても、出世できる人とそうでない人がいる。その明暗を分けるたった1つのポイントを、解説する。
フォロワーシップの「5つのレベル」
大きな力を秘めるフォロワーシップであるが、発揮すること自体はさほど難しいことではない。
筆者は、講演や研修の場でフォロワーシップをおすすめする際には、「日常業務の中で、段階的にできるレベルを上げていこう」と鼓舞している。無理のない範囲で、できるところから実践していけばよいのだ。
自分がどれほとのフォロワーシップを発揮できているかのイメージがしやすいように、筆者は次のような段階を提示して説明している。
(1)「分かりました」レベル
上位者の指示命令に疑問があれば都度解消し、納得したうえで気持ちよく従う。
(2)「いいですね!」レベル
上位者の判断や決定に対して積極的な理解/賛意を示し、上位者を勇気付ける。上位者も常に自信をもって判断しているわけではないので、メンバーから賛意を示されれば安心して実行できる。
(3)「私やります!」レベル
上位者の取り組みの一翼を担う。単に手伝うだけではなく、「責任の一部を引き受ける覚悟で取り組む」。仮に失敗しても「上位者の責任」と逃げず、当事者意識と責任感を持つこと。
(4)「任せてください!」レベル
上位者の右腕となって働く。どんな分野であれ、「○○については私に任せてください」と言い切れるレベルのサポートができていれば、職制上の地位は違っても、かけがえのないパートナーとして上位者を支持していることになる。
(5)「皆でやろうよ!」レベル
チームメンバーに対し、上位者の目指す方向性やビジョンを分かりやすく示し、動機づけ、チームワークを最大化した状態で目標に向かえるようにできている状態。ここまでくればほぼ上位者同等である。
この表に基づいて考えると、当時の筆者はプレイヤーとしては成果を挙げていたものの、フォロワーとしての心構えは恐らく(2)〜(3)のあたりであった。
一方、Sはプレイヤーとしての成果には波があったが、フォロワーとしては既に(5)の位置にあった。いわば、既にマネジャー同等の視座で仕事をしていたのであり、次期マネジャーに推されることも当然だったというわけだ。
関連記事
- 「課長にすらなれない」──絶望する40代社員が増えるワケ
真面目に勤めてきたが、上の世代とは違い「課長にすらなれない」──そんな状況に絶望する40代社員が増えています。減り続ける管理職ポストの実態と、深刻な賃金格差とは。「肩書きなき40歳問題」について河合薫氏が解説します。 - 「氷河期の勝ち組」だったのに……40代“エリート課長”に迫る危機
自分をエリートだと信じて疑わなかったサラリーマンが、社内の方針転換により出世のはしごを外されることがある。エリート意識や、能力主義への妄信が生む闇とは──? - “スーツ姿の客”がネットカフェに急増 カギは「PCなし席」と「レシートの工夫」
コロナ禍で夜間の利用者が激減し、インターネットカフェ業界は大きな打撃を受けた。そんな中、トップシェアを誇る「快活CLUB」では、昼にテレワーク利用客を取り込むことに成功、売り上げを復調させた。そのカギは「PCなし席」と「レシートの工夫」にあるという。どういうことかというと……。 - 延々と残業する部下に困っています どうしたらいいですか?
延々と残業する部下に困っています。残業時間を減らすように注意しても、あまり改善されません。どう対処すれば良いのでしょうか? - アマゾンの新しい返品方法 お金を返し、商品は回収しない──なぜ?
米国は、日本に比べて返品OKの小売店が多い。米アマゾンなどの大手小売りでは、返金するのに商品は回収しない「Keep it」という新しい返品方法が進められている。なぜ、このような手法を取るのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.