“五輪汚職”でKADOKAWA元専務逮捕 角川会長、前日会見で7000万円のコンサル料「電通に支払ったという認識」 【一問一答】(2/2 ページ)
電通元専務で、東京五輪・パラリンピック組織委員会(五輪組織委)の高橋治之元理事とAOKIによる汚職事件に関し、東京地検特捜部が9月6日、KADAOKAWAの元専務ら2人を逮捕したと日本テレビが報じた。同社に対しては、高橋元理事がスポンサーの仲介を行ったとする読売新聞の報道が出ており、9月5日の報道陣の取材にKADOKAWAの角川歴彦会長は収賄容疑を否定していた。
「電通に協力を求めたことは事実」
質疑応答は以下の通り。
記者 捜査を受けていることについてコメントを
本当に思いがけない感じ。戸惑っていることばかり。AOKIさんの事件も出ている。人が違うなと思ったので、戸惑っている。
記者 高橋氏の友人の会社に支払っているとの報道については
支払った人は電通の雑誌局長をしていた人。自分は電通の人と思って支払っていた。その人とは組織委員会の会議室で会った。その時は電通の人と思って、違和感がなかった。久しぶりに会いましたねという。電通に支払ったかは分からないが、電通に協力を求めたことは事実だと思う。
記者 協力を求めたというのは?
KADOKAWAの中にスポーツ関係の事業を立ち上げたいというので、スポーツ関係であれば当時、ラグビーもあったし、IRもあったり、万博もあった。そういうのを総じて事業にしたいというのがあった。結構なことではないかと了解した。
記者 どういう名目の契約だったか?
全体のコンサルタントと聞いている。スポーツコンサルタント。五輪に関するお願いも含まれている。当時、組織委員会(組織委)と接触するには、だいたい電通に相談することになっていた。電通が(組織委に)ああしろ、こうしろと言えば動くんだと思う。
記者 担当者の名前は?
自分の口からは言えない。
記者 その人から高橋氏を紹介された?
自分は知らない。自分は高橋さんと組織委で会った。組織委理事として会い、その際に名刺も渡した。
記者 どういう経緯で会った?
出版関係の権利をお願いしますということで新宿(都庁)の組織委であいさつした。
記者 どなたを訪ねた?
組織委。組織委(の会議)があって、長テーブルの議長席に高橋さんが座っていた。なので、自分たちは組織委の人と思って会っている。その時に初めてお会いしたと認識している。いつ会ったかはあまり覚えていない。
記者 7000万円で合っているか?
それも記憶が曖昧。7000万と聞いたかなと記憶している。7000万と言われたらそういうことなんだろうと。自分の記憶ではうちの法務部が介在して、検討して、スポーツ全体の契約書がある、法務部も問題ないとの報告を社内の業務会で受けた。
記者 謝礼という認識はあったか?
自分はそんな認識はないが、捜査中のことなので答えられない。組織委が決めた建付けに従っただけ。自分は電通に支払った認識。自分が面会した方は、雑誌でお世話になった方。当時の雑誌業界はその人にお願いしないと雑誌が成立しないくらいの立場にいた。自分は高橋さんにお金が渡っていないという認識。社員の報告を信じたい。
記者 お金の一部などを高橋氏に支払うようお願いしたことはあるか?
一切ない。頭から理事だと思ってるんだから。
記者 スポンサー業務への便宜を依頼したか?
組織委が何らかの権利について、高橋さんを電通の窓口にしたんだと思う。そうすると挨拶するしかない。
記者 一部報道では出版にスポンサー枠がなかったという報道もあるが。
それはない。前回の東京五輪では講談社がやっている。
記者 経緯を教えてください。
スポーツ全体に関わる事業をしたいと。当時は別の社が先行して立候補していた。その時点で、出版関係の事業は決まっていたのではないか。そうでないと自分たちは入れない。当初自分は、その社と一緒にやったらいいのではないかと言った。業界のためにやるのだから一緒にやるべきではないかと言った。何か働きかけて、出版関係のスポンサー契約枠を作ってもらったということは、絶対にない。IOC(国際オリンピック委員会)は必ず本を出さないといけない。自分はそう思っている。面会時に感じたのは「Tier3」(ティア3)なんか、全然相手にされていないなと。
記者 同席された方は?
覚えていない。高橋さん、知人の方、事務局の方が10人くらい。その方も電通からの出向者かもしれないが。その時に初めて高橋さんにお会いした。
記者 KADOKAWAとして、スポンサー契約について高橋氏からアドバイスを受けたか?
結構ですねと。他社とのことは出てない。お願いに行ったんだから。セレモニーですから。皆さんもTBSも本を出している。映像を流して。新聞社も全部。全部同じパターンだと思う。
記者 その会はいつ?
それは覚えていない。その時には決まっていた。出版は最終的に1社だった。先行していた社が下りてしまったので、KADOKAWAだけ。KADOKAWAしかいないんだから、うちになるのは当然のこと。高橋さんにお願いに行った時には、先行していた社があったと現場から聞いている。
記者 高橋氏に面会した時は1社すでに立候補していた。
自分は1枠だと思っていた。1社が名乗り出ているところに、うちが申請すれば2社で2分の1になる。合理的ではないか。スポンサー枠を2枠にしようなんて話は出なかった。自分が聞いているのは、KADOKAWAが決まっているところに、電通が走り回って、集まっているというのを当時のうちのトップが雑誌協会から聞いてきて、調べたのを覚えている。
記者 お会いした時にいたのは?
自分と現場の2人の合計3人だったと思う。自分は組織委の10人くらいに囲まれた感じ。別に自分と高橋さんが2人で会ったわけではない。それを強調していることが、あなたたち(報道陣)がどうしても高橋さんとその知人にしたいという方向に誘導しているようにしか思えない。裁判も何もされていないのに、高橋さんを悪い人だと思うのは、新聞に載っているからでしょ。そういう(印象操作)のは失礼だと思う。
記者 7000万円をコンサル料として支払ったが。
そういうことに使われるとは思わなかった。それで捜査がそういうところに行くのはそれでいいと思っている。なんで、こういうことがあれば当たり前に、企業としてアドバイザリーを求めたり、会社として契約する。その手続きはやっている。アドバイザリー報告書としてまとまっている。(その内容は)覚えていない。恐らく検察が持っているので、申請すれば見れるのではないか。きっと。
記者 不正があったという認識は?
僕が不正があったということを、社員が不正がなかったというのを信じたい。不正をしろと言った覚えはない。そんなことをする必要があるのか。KADOKAWAに来るのが決まっていて。前提条件を考えてほしい。1社しかないのだから。わいろを渡したという認識は全くない。卑しい心で50年企業を経営していない。皆さんの企業だって、10年に1回はこうやって言いがかりみたいな事件ありますよ。KADOKAWAにとっては、こんな小さなことですよ。そのために、自分たちの精神を汚してまでも仕事をしろなんて言わない。
記者 スポンサーになりたいと言った相手は高橋氏ではない?
高橋さんではない。くどいようだけど、相手は組織委であり、電通。
記者 初回面会後に高橋氏と会ったことはあるか?
2回ある。その時は「随分遅いですね」と言った記憶がある。認可が下りるのが。そういう時に高橋さんが「ティア3だからね」と。君たち「ティア3」でもっと手早くやってあげなさいよって言ったから。これでお願いしてよかったなと思っていた。
記者 2回目以降は誰と会った?
検察は知っているはず、きっと。僕たちは、誰に会ったかなんてなかなかね、解散しちゃったんでね、分からないので。あなた方なら組織委で誰が同席したのか、全部分かると思う。
記者 同席したKADOKAWA社員はどんな人?
それは自分の口からは言えない。担当社員。
記者 会長から早くしてくれと言って、実際に早くなったことは?
ない。邪気にされた感じだなと。だから許可が下りた時は「へぇよかったね」という感じ。会社の関心事が、その時には全部だった。
記者 スポンサー契約額が安くなったことは?
安くなった。2社で負担することになったので、2分の1になり、良かったねという。半額になった。額は大した金額ではない。数千万ではない、1億に毛が生えたようなもの。
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