なぜあの人は職場で嫌われているのか 誰も近寄らない3大NG言動:“沼る”ビジネスパーソンの共通点(3/3 ページ)
職場で周囲から「敬遠されている人」「煙たがられている人」といえば、誰しも1人や2人、思い当たる人がいるのではないか。自ら嫌われたいと願って行動する人などいないはずなのに、結果的に嫌われてしまう人がいるのはなぜなのか。ビジネス書作家で「気くばりコンサルタント」の後田良輔さんに話を聞いた。
仕事の出来は「まあまあ」で十分?
――確かに、少し意識すれば誰でも実践できそうなことですね
後田: 好かれている人、トラブルがない人は、ものすごいことをしているわけではありません。私がこれまで見てきた成功している経営者やビジネスパーソンは、「仕事ができることより、失敗しないこと」を優先している傾向があります。
特別に仕事ができるとか、ものすごく性格がいいとかいうわけではなく、相手が嫌がるようなことをしない。これを続けるだけで、その人への信用が生まれます。
――仕事ができることより失敗しない、ということですか
後田: 「あの人はそれほど能力が高いわけではないのに、なぜ出世しているのだろう」という人が社内にいないでしょうか。その理由は、マイナスがないからです。
これだけ転職が多い時代になると、ライバルである社員が辞めていき、自ずとポジションが空いてくる。この人は悪くない、マイナスがないからという理由で、空いたポジションへと昇格していく人がいます。
あいまいな表現ではなく具体的な期日で表現する、専門用語を使わず優しく話す、相手の都合を見て頼む――。これらを繰り返しているだけで、ファンとまではいかずとも、嫌われたり敬遠されたりすることはありません。
――日頃の心掛けが好かれる人への第一歩なのですね
後田: 私は仕事も含め、世の中のことは「まあまあ」でいいのではないかと思っています。
例えば、レストランで考えてみてください。私たちが普段、気軽にランチを食べに行くのは、ミシュランガイドに掲載されているようなハードルが高い高級店ではなく、「まあまあ」なお店が多いのではないでしょうか。料理がとびきりおいしい、というわけではないけれど、居心地がよい「まあまあ」なお店。
仕事もこれと同じで「まあまあ」できれば上位に入っていくことができます。「できるかできないか」の二者択一ではなくて、中間の「まあまあ」を目指すことで、十分に好かれる人になることは可能です。
後田良輔(うしろだ・りょうすけ)
ビジネス書作家。気配りコンサルタント。
1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。
著書に、『ミスを最大のチャンスに変えるリカバリーの技術』(明日香出版社)、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)、『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論シリーズ」』(実務教育出版)、『1秒内定面接術」』(インプレス)など計9冊。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界から気づかいの悩みをなくすこと」をミッションとする。
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