テレワーク時代でもオフィスはいる、4つの理由:必要か不要か(1/6 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、テレワークを導入する企業が増えた。「オフィスなんてもういらない」といった声も聞こえてくるが、本当に不要なのか。
新型コロナウイルス流行をきっかけに、テレワークを導入する企業が増加した。それにともない、在宅勤務はもとより、サテライトオフィス勤務、さらにはワーケーションなど、時間や場所にとらわれない多様な働き方も一気に加速している。
このような中、出社しなくても問題なく仕事ができることに気付いた人の中からは「オフィス不要論」までもが飛び出した。果たして、リモートワークだけで業務が遂行できる企業であれば、本当にオフィスは不要なのだろうか?
オフィスなしでも大丈夫? テレワークのデメリット
テレワークのメリットには、ワークライフバランスの実現によるメンバーのモチベーション維持や満足度の向上、パートナーの転勤に伴う離職防止、採用の幅が広がることによる優秀な人材確保などが挙げられる。その一方で、見逃せないデメリットが潜んでいることも事実だ。
1つめが、「コミュニケーション不足」に陥りやすいという点だ。オフィス勤務のときには自然としていた仕事に関する些細な相談や、仕事以外の雑談が、テレワークでは取りづらくなる。仕事以外の雑談は、相手の”人となり”を知る大切な時間であり、それによって心理的安全性の確保ができていた側面もあろう。
また、顔の見えづらいテレワークでは、それぞれの従業員が抱えている問題にも気づきにくくなる。さらに、メンバー間の様子が視覚的に見えないことによるチームワーク・士気の低下にもつながりやすい。
2つめは、他部署との連携が希薄になるという点だ。部署間コミュニケーションの課題は、オフィス勤務であっても問題視されることの一つではあったが、顔を合わせないテレワークでさらに深刻化する恐れがある。時間的に非同期で働くことも増えるため、連携不足は、他部署との重複した情報収集、情報共有の遅延、それによる決裁の遅れなど、仕事のスピード低下にもつながる。
オフィスが完全になくなり、テレワークだけになれば、以上のようなデメリットをいかにして埋めるのかを考える必要があろう。
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