テレワーク時代でもオフィスはいる、4つの理由:必要か不要か(3/6 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、テレワークを導入する企業が増えた。「オフィスなんてもういらない」といった声も聞こえてくるが、本当に不要なのか。
テレワーク時代のオフィスの役割4つ
コロナ禍で浸透したテレワークから、再びオフィス勤務に回帰したという声も最近チラホラと聞こえてくる。これは、オフィスが単に「仕事をするための場所」として存在するのではなく、私たちの無意識下でさまざまな役割を担っていたことへの気づきでもあろう。
とはいえ、テレワークのメリットにも気がついてしまった私たちは、このままテレワークを完全に手放すことも考えづらい。そんなこれからの時代のオフィスの役割とは、一体何なのだろうか。
企業のビジョンやミッションの浸透
1つめは、企業のビジョンやミッションを共有する役割だ。企業という一つの組織で働く上で、ビジョンやミッションの共有は欠かせない。これらは航海における羅針盤のようなものだからだ。企業が何を目指し、今何に注力しようとしているのかをメンバーが理解してこそ、パフォーマンスの最大化につなげることができる。
そこで、オフィスを企業理念や経営戦略などを体感できる場所にすれば、従業員が訪れるたびにそれらを共有、浸透させることができる。
メンバーのコミュニケーション円滑化
2つめは、メンバー間のコミュニケーションを活性化し、円滑に業務を進めていく役割だ。特に、今後のキャリアについて語り合う1on1などは、対面で行うほうが望ましい。何気ない会話の中から、新しいアイデアやヒントが生まれることも多いからだ。オフィスという空間があれば、その機会が容易につくれる。
これからの新たなオフィスのあり方として、どのようにメンバー同士のコミュニケーションを活性化し、モチベーションアップにつながる空間にすることができるのかを思考することが求められる。ポイントは、メンバーが自発的に「オフィスに行きたい!」と思わせるオフィス環境整備にあると考えている。
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