テレワーク時代でもオフィスはいる、4つの理由:必要か不要か(5/6 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、テレワークを導入する企業が増えた。「オフィスなんてもういらない」といった声も聞こえてくるが、本当に不要なのか。
今こそオフィスを有効活用するとき
今後、テレワークとオフィス勤務をする社員が増えると予想される。そうした中で、オフィスを有効に活用するためのルールとして、4つの例を挙げてみよう。
(1)フリーアドレス
出社する頻度が下がり、1人1デスクが必要なくなった企業も多いだろう。これはデスクのフリーアドレスを促進するチャンスだ。ただし、フリーアドレスを取り入れているにもかかわらず、席が何となく固定化してしまっていては、コミュニケーションを取るメンバーも限られ、フリーアドレスである意味がない。そうならないためのポイントとして「毎日、違う席に座る」「私物をデスクに置きっぱなしにしない」というルールを設けることも重要だ。
(2)出社する日をそろえる
テレワークまたは出社が自由なハイブリッド型の勤務体制の場合でも、チーム単位での「全員出社日」を設けるのがいいだろう。対面での会議、メンバー同士でランチ食べるという機会が週に1度でもあるのとないのとでは、親密度合いは全く違ってくるからだ。
(3)新人は原則出社
新人は、社内での関係性がまだ十分に構築できていない。そのため、テレワーク中に困ったことが発生しても、上司に気軽に聞きづらい傾向にある。そこで、「入社半年間はオフィス出社」などと一定のルールを設けることが1つの策になるだろう。
オフィスに出社すると、上司と他愛もない話ができたり、先輩の営業電話を盗み聞くことができたり、同期と悩みを共有できたりなど、「偶然の副産物」を得られる機会に囲まれる。その結果、会社へのエンゲージメントも高くなり、心理的安全性が確保され、成長スピードが速くなるだろう。
(4)部署間合同ミーティングの導入
部署間の連携やコミュニケーションを円滑にし、業務の滞留をなくすために、部署間合同ミーティングをオフィスで開催するのもオススメだ。通常、部署間であれば、ビデオ会議などを使って会話をすることが多いが、連携をスムーズにさせるためには、部署を超えたコミュニケーションの場を設けることが大切だ。
月に1、2回でもいい。顔を合わせて、進ちょく状況の確認や課題に対する議論できる場を設けることで、テレワークの際にもチャットでのコミュニケーションが取りやすくなるだろう。
関連記事
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。 - 「昔はこうだった」「こうやるものだ」は禁句 Z世代と上手に働く方法
「Z世代」という言葉をよく耳にするようになった。1990年代半ば以降に生まれた世代のことを指しているが、職場でこうした世代とどのように接すればいいのだろうか。やっていいこと、やってはいけないことをまとめたところ……。 - 「オレが若いころは」「マネジメント=管理」と思っている上司が、ダメダメな理由
「オレが若いころは……」「マネジメントとは管理することだ」といったことを言う上司がいるが、こうした人たちは本当にマネジメントができているのだろうか。日本マイクロソフトで業務執行役員を務めた澤円氏は「そうしたマネージャーは、その職を降りたほうがいい」という。なぜかというと……。 - なぜ某カフェチェーンは時給を上げないのか 「安いニッポン」の根本的な原因
アルバイトの応募が少ない――。某カフェチェーンから、このような嘆きの声が聞こえてきた。人口減少の問題もあるだろうが、なぜバイトが集まらないのか。その理由は……。 - 「世界一勤勉」なのに、なぜ日本人の給与は低いのか
OECDの調査によると、日本人の平均年収は韓国人よりも低いという。なぜ日本人の給与は低いのか。筆者の窪田氏は「勤勉さと真面目さ」に原因があるのではないかとみている。どういう意味かというと……。 - 「70歳まで会社にしがみつく人」が結局、会社を弱体化させてしまうワケ
定年を引き上げるニュースが相次いでる。現行の60歳から65歳にする企業が増えてきているわけだが、筆者の窪田氏はこの動きに懸念を抱いている。「長く働くことができていいじゃないか」と思われたかもしれないが……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.