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デジタル化で「うまくいった」「失敗に終わった」 飲食店の決定的な差:石角友愛とめぐる、米国リテール最前線(3/6 ページ)
外食産業のDXの重要性が問われる中、デジタル化をしてうまくいく企業とうまくいかない企業があります。その違いはどこにあるのでしょうか。
その理由は、トラックが急ハンドルをきったり、道路の段差にぶつかったりすると、チーズがあちこちに飛び散ることが多かったからです。その代わりに、オーブントラックを中心部に駐車し、ランナーカーや原付バイクで焼いたピザを運ぶシステムを構築していきました。
しかし、ピザを自動化したプロセスで速達するサービスを拡大するために必要なオペレーションの改善、フルフィルメント(注文から配達までのプロセス)の知識、自動化におけるモニタリング機能実装、そして何より大事な顧客満足度というところまで徹底する前に、資金が枯渇。これが、失敗の大きな要因だと言われています。
ある報道によれば、Zumeのエンジニアチームがピザトラック用の独自のバッテリーや充電ステーション、熱い食べ物が冷めすぎて配達できなくなったことを検知するセンサーの開発などに何カ月もかけたものの、これらのプロジェクトはどれもうまくいかなかったということです。Zumeが19年に計上した売り上げは100万ドルを大きく下回っており、20年にはついにピザ事業を閉鎖しました。
このように、IT活用を全面的に押し出すことで経営のフォーカスがブレてしまい、飲食業を行う上で最も大事な「安全でおいしい商品を提供し、顧客満足度をあげてリピーターを増やす」というところがおろそかになってしまうケースもあります。
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