Sansan、インボイス制度実態調査 経理担当者の制度理解は約7割、一方で6割以上が制度への対応に「不安」(2/2 ページ)
Sansanは、請求書関連業務に関わる経理担当者1000人を対象に「インボイス制度に関する実態調査」を実施し、結果を発表した。調査によると、制度を理解している人は約7割、適格請求書発行事業者への登録も約半数が済んでいるものの、6割以上が制度への対応に不安を感じていることが分かった。
従業員の規模別に見てみると、「まったく知らない」と回答した人は「100人以下」の企業で一番多く(10.3%)、逆に「詳しく知っている」と回答した人は「1000人以上」の企業が最も多い(27.1%)結果となった。従業員規模の大きな会社ほど、理解が進んでいる傾向がある。
また、インボイス制度を「知っている」と回答した人を対象に、適格請求書発行事業者ではないことを理由に取引を中止することは、下請法違反にあたる可能性があることについて知っているかを尋ねたところ、「知っている」と48.8%、「知らない」が51.2%と約半数が理解していた。
同じく、インボイス制度を「知っている」と回答した人に、適格請求書発行事業者への登録状況について聞いてみると、「登録申請済み」(43.4%)が一番多く、次いで「登録申請を検討中」(29.2%)、「登録申請はしない」(8.9%)と続いた。
また、取引先が適格請求発行事業者かどうか事前に確認するか聞くと、「すでに確認している」と回答した人が16.1%となった。「現時点では確認していないが、確認する予定がある」も50.6%と半数以上を占めた。
最後に、インボイス制度の導入に関し、不安を感じているかを尋ねてみると「とても不安に感じる」「やや不安に感じる」を合わせ、64.9%が不安を感じている。理由としては、「従来の請求書業務より工数が増える」(53.6%)と回答した人が最も多く、次いで「インボイス制度と電子帳簿保存法を併せて検討しないといけない」(50.2%)となった。
調査は、全国の請求書業務を行う経理担当者1000人を対象に、オンライン上にてアンケートを実施した。調査期間は、2022年8月21〜24日。
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