山善の「焼き肉→焼き鳥」がヒット、“もくもく”を減らす話を聞いた:3分インタビュー(2/3 ページ)
山善の「減煙電気七輪」が売れているという。8月中旬に発売しところ、あっという間に欠品状態に。開発にあたってどのような苦労があったのか、担当者を取材した。
最大の問題は「温度」
――巣ごもり需要などもあって、「家で焼き肉を楽しみたい」という人が増えているようですね。山善は煙と油をできるだけ抑えた「減煙焼肉グリル」を2020年に発売したところ、累計で25万台も売れているそうで(7月末現在)。家で居酒屋気分を味わえる「電気七輪」を発売したところ、こちらも好調のようですね。どのような商品なのか、特徴を教えてください。
近藤: 市場調査をしたところ、多くのユーザーは「煙に不満」を感じていることが分かってきたので、開発は「煙をどのようにすれば抑えることができるのか」といった視点でスタートしました。
他社の製品を見ると、プレートの下にヒーターを設置しているモノが多いんですよね。ヒーターに油がかかることで、煙が発生してしまう。同じような構造にすると、ユーザーからの支持を得ることは難しいのではないか。そのように考えて、ヒーターを側面に設置することで、落ちた油がかからないようにしました。
そうすることで、煙をできるだけ抑え込むことに成功したわけですが、それだけではありません。ヒーターの裏側に反射板を設置することで、ヒーターの熱が焼き鳥などに伝わるようにしました。
――商品を開発するうえで、苦労したことは?
近藤: 最大の問題は「温度」ですね。焼き肉プレートの場合、プレートを熱すれば、肉を焼くことができる。熱を伝えることはそれほど難しくないのですが、網は違う。熱を受けるところが少ないので、温度が上がりにくいんですよね。温度を上げるために、どうすればいいのか。先ほど紹介したように、ヒーターの裏側に反射板を設置して、熱が中央に集まるようにしました。
温度を上げるのであれば、ヒーターの温度を上げればいいのではないか? と思われたかもしれませんが、ヒーターの温度を上げ過ぎると、その熱によって他の部品が溶けてしまうかもしれません。溶けないようにするには、素材を変えなければいけません。そうすると、コストがどんどん上がってしまうので、商品の価格もどんどん上がってしまう。
そうなってはいけないので、温度を上げるために、反射板の角度に注目しました。少しずつ角度を変えながら、どの角度であれば効率よく温度を上げることができるのか。試行錯誤を繰り返しながら角度を調整していき、いまの形に落ち着きました。
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