やたらと長い説明文で売り上げ増 ドンキが「ミックスナッツ」のリニューアルに感じた手応え:PBを刷新(2/3 ページ)
ドン・キホーテのプライベートブランド(PB)「情熱価格」は、2021年2月のリニューアルを機に、パッケージに長い説明文を記載するようにした。どんな効果が出ているのか?
パッケージが接客
情熱価格ブランド全体の販売数ランキング2位は、「ライトツナフレーク缶(かつお) 70g×10缶パック」(768円)だ。これは、価格の安さを打ち出したツナ缶のパックで、パッケージには「買い置きに便利な10缶パックにすることで一缶ずつのラベルコストを省いた価格破壊ツナ缶」と記載されている。
担当者はこうした説明文にした理由について、「通常のスーパーでは10缶パックはあまり見かけない。また、よく見ると缶にラベルがないのも分かる。ナショナルブランドと比較した際、『なぜ、この商品を買う必要があるのか』という理由を知ってもらう狙いがある」と話す。ドンキでは基本的にお客が好きな商品を選んでレジに持っていくが、詳細な説明文を記載することで「パッケージが接客してくれる」(担当者)効果も狙っている。
長い説明文には、ドンキらしい商品だとアピールする狙いもある。例えば、10月3日に発売する「燻製ミックスナッツ」(754円)は「突き抜けた燻製の風味」(担当者)を強く打ち出している。燻製の風味を強調しすぎると、苦味や渋みが気になると敬遠する人も出てくる恐れがある。しかし、パッケージにあえて「芯まで香る力強い燻製」と打ち出し、コアなファンを狙う戦略だ。
また、10月1日に発売する「一味せん3枚入り」(430円)は、からさをひたすらアピールしているせんべいだ。パッケージには「限界超越せんべい」「せんべい本体が見えなくなるまで一味唐辛子をまぶした」といった刺激的な文言が並ぶ。パッケージは全体的に赤く、赤い鬼のようなイラストも印象的だ。
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