食品トレーやめて、鶏肉をそのまま袋詰め 当初は心配する声もあったサミットの取り組みが支持されたワケ:収納・持ち歩きに便利と話題(3/3 ページ)
サミットは食品トレーをやめて、鶏肉をそのまま袋詰めをしている。当初は心配する声もあったが今は支持される「ノントレー包装」。導入の経緯を聞いた。
利用者の反応は?
――利用者からの反応はいかがでしたか?
白鳥: テスト販売では、8割が「肯定」、1割が「品質や衛生面が心配」、残り1割が「どちらでも良い」という結果でした。肯定派の方からは、「ごみが減るからありがたい」「トレー入りの商品よりも平べったいから、持ち帰るときにかさばらなくていい」「袋のまま冷凍庫や冷蔵庫に保管できて便利」という意見が集まりました。導入当初、「ノントレー包装」導入店舗では他店と比較して鶏肉の売り上げの構成比が高くなりました。保存のしやすさや、かさばらないためまとめ買いできることが評価されたようです。
白鳥: 「品質や衛生面が心配」と回答した方からは、「商品が直接袋に入っていることで、重なっている部分が何となく気になる」「他の利用者が手に取った際に体温が伝わって悪くなっていないか心配」など、抵抗感を持つ意見が挙がりました。検査をしたうえで品質に問題はないと判断し、販売を続けたところ、お客さまも慣れてきたようで、受け入れていただいています。
――「ノントレー包装」の取り組みに関して、今後何かアップデートの予定などはありますか?
白鳥: これまでにも、「一度に使い切らなかったときに不便」という意見を受け、大容量商品でチャック付き袋を導入するなどのアップデートを加えています。サミットでは商品の規格に合わせて売価を変えていないため、1枚入りのものを大量に購入して1つずつ冷凍保管する方、大容量を購入して使わない分はチャック付きの袋のまま保管する方など、好みに応じて購入していただいています。
白鳥: 今後は産地で包装する「産地パック」の導入を強化したいです。現在は銘柄の鶏肉のみでの実施しています。
「産地パック」は真空に近い状態でパックすることで、消費期限を延ばすことができます。店舗で包装をした通常の商品では、消費期限は3日間です。対して産地パックでは、消費期限がパックした日から1週間、店舗に届いた日から5日間になり、食品ロス削減にもつながると考えています。
他社の取り組み
同様の取り組みは、スーパー各社でも広がっている。例えば、首都圏を中心に130店舗以上を展開する食品スーパー「オーケー」では、10年8月からノントレー包装の導入を開始した。豚肉、鶏肉で使用しており、肉汁がこぼれない包装形態になっている。導入店舗は103店舗だという。
2022年9月30日午前9時30分、誤字があったため修正いたしました
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