「おつりを募金箱に」は減っている? ローソンに聞いて分かった驚きの進化:寄付方法を調査(2/4 ページ)
キャッシュレス化が進んでいるが、コンビニの募金箱経由の寄付は減っているのだろうか。ローソンに聞いたところ、募金箱が意外な進化を遂げていたことが分かった。
キャッシュレス化の影響
経済産業省の資料によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%で、年々上昇を続けている。内訳は、クレジットカードが27.7%、コード決済が1.8%などとなっている。では、キャッシュレス化により、募金箱経由の寄付金額に影響は出ているのだろうか。
ファミマの担当者は「年間総額は近年横ばい傾向だ。現状、キャッシュレス化による大きな影響は見られない」と説明する。ローソンの場合「キャッシュレス化の影響が出ているかは分からない」とのこと。セブンは「キャッシュレス化による募金の増減は一概にいえるものではない」という回答だった。
現状では大きな影響を受けているとはいえない。しかし、今後、さらなるキャッシュレス化が進むことを踏まえ、お客の「募金したい」という気持ちの受け皿をつくる取り組みは進めている。
例えば、ローソンの場合、基本的に有人レジ1台と募金箱1台がセットになっているが、防犯上の観点からセルフレジの脇に募金箱は置いていない。人手不足対策などのため、今後もセルフレジは増え続ける傾向にあるので、募金箱の設置場所は減っていく可能性がある。また、キャッシュレス化は確実に進むので、受け取ったおつりを募金箱に入れるというシーンは減っていく。
こうしたことを踏まえ、ローソンでは、21年3月からクレジットカードによる募金受付を開始したり、店頭に設置してあるマルチメディア端末「Loppi」で常時受け付けている寄付先を増やしたりしている。また、募金箱に"マチの幸せ"募金の寄付総額を記載することで、利用客の目を引くような工夫もするようにしている。
ファミマでは、「4月に発売したラインソックスレインボーのように、売り上げの一部が寄付される商品を販売するなど、キャッシュレスの支払いができ、かつ意図した団体へ寄付が届くような取り組みも始めています」(担当者)という。
セブンではnanacoのポイントからの募金、セブン&アイグループのセブンマイルプログラムのマイルからの募金など、さまざまな窓口を設けている。しかし、これらは現金による募金の減少をカバーすることを目的としたものではないという。あくまで、「さまざまな窓口を設けることで、お客さまとの接点を増やし、環境保全への思いとしての募金をお預かりしたい」(担当者)というのが狙いだ。
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