インタビュー
上場企業の中計から読み解く下期のビジネスキーワード 食料品「サステナビリティ」、銀行「地域社会」:注目すべき3つの分野(2/5 ページ)
中期経営計画書は、今後の経営方針を投資家に向けてアピールする側面が強いため、その年のトレンドをより反映しやすい。2022年度後半の注目キーワード、経営トレンドを予測した。大きくいえば、投資家がサステナビリティを重視するようになっている。
トレンドに大きな変化 地政学リスクから価格高騰へ
では、このホットワード分析を活用しようとしたとき、ビジネスパーソンは何をどう見ていけばいいのか。
ホットワード分析の中計から見える22年のこれまでの動きとあわせて、宮寺氏がこう解説する。
「22年と21年を比較することで、現在何が起こっているか浮かび上がってきます。22年のホットワードを見ると、ロシアの『ウクライナ』侵攻によって『地政学リスク』が大きく顕在化したことが分かります。それに伴う『価格高騰』などは、企業として非常に気になるところでしょう。
21年には『DX』や『カーボンニュートラル』がホットワードになっていましたが、今年は横ばいです。もちろん企業としては業務効率も環境対策も重要であることに変わりはないものの、それらをしのぐほどの影響をウクライナ情勢はもたらしたといえるでしょう。
その一方で、順位は高くありませんが『リスキリング』『フェムテック』などが登場し、新たな動きとして注目されます」
CCReB GATEWAYにより抽出された2022年8月下旬時点の22年ホットワード分析。サイトより「ビジュアル表示」「中期経営計画書」「登場数増減率」「〜100位まで表示」を選択すると表示される。中計のデータはリアルタイムで反映されるため表示キーワードは日々変わる
22年のトピックとして、宮寺氏は4つを挙げている。1つ目はやはり世界情勢、時事関連だ。
「今年は『ウクライナ』一色と言えます。19〜20年は英国の『EU離脱』や『米中摩擦』がホットワードとなっていましたが、それらの比ではないほどの登場数です。その関連で、『サプライチェーンの混乱』や『価格高騰』も高い伸びを示しています」
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