コラム
在宅勤務中、社員の子どもがPCを破損 社員が弁償すべき?:Q&A 社労士に聞く、現場のギモン(1/2 ページ)
【Q】在宅勤務中の従業員から、会社が貸与しているノートPCに子どもが飲み物をこぼしてしまい壊してしまったとの連絡がありました。従業員に修理代を請求できるのでしょうか。【A】従業員が会社に損害を与えた場合、修理代を請求することは……
連載:Q&A 社労士に聞く、現場のギモン
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Q: 在宅勤務中の従業員から、会社が貸与しているノートPCに子どもが飲み物をこぼしてしまい壊してしまったと連絡がありました。故意に破損したわけではないのですが、会社は修理代を請求できるのでしょうか。
修理代は会社と社員、どちらの負担になる?
A: 従業員が会社に損害を与えた場合、修理代を請求することは可能ですが、請求できる範囲は損害の全てではなく制限があることが一般的です。また、損害の賠償金を従業員の給与から差し引くことは、原則として認められません。
過失の損害賠償は可能だが、制限がある
コロナ禍におけるリモートワークの普及もあり、ノートPCやタブレット端末を従業員へ貸し出している会社も多く見受けられますが、持ち運びができる端末は故障や破損のリスクも比例して多くなる傾向にあります。
本件のように、従業員が過失により会社の所有物を破損したり、使用不能な状態にしたりしてしまった場合には、従業員は民法709条(不法行為による損害賠償)や民法415条(債務不履行による損害賠償)に基づき、会社に対してその損害を賠償する義務を負います。しかし、その損害額の全てを賠償する必要があるわけではありません。
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