「ニンジンの皮」からできた紙素材が発売 封筒や名刺などでの利用を見込む フードロス問題にも貢献:売り上げの1%を寄付
ペーパルが、野菜工場から排出されるニンジンの皮をアップサイクルした紙素材「vegi-kami にんじん」を10月17日に発売する。売り上げの1%をフードバンクに寄付し、フードロス問題の解決にも貢献する狙い。
紙や紙製品の開発・販売を行うペーパル(奈良市)は、野菜工場が排出するニンジンの皮をアップサイクル(廃棄物などをより良い品質と環境価値の材料・製品にアップグレードすること)した紙素材「vegi-kami にんじん」を、10月17日に発売する。売り上げの1%をフードバンクに寄付し、フードロス問題の解決に貢献する。
vegi-kamiシリーズは、野菜や果物などを加工する過程で出る廃棄部分を活用したフードロスペーパーの新シリーズ。今回の「vegi-kami にんじん」は第1弾となる。ただ皮を使用するだけでなく、あえて質感を残してパルプと合わせることで、紙の表面に素材の持つ色や質感が表れるという。紙は白色ベースで印刷時の発色も問題なく、パンフレットやリーフレット、封筒、名刺などさまざまな用途で活用できるようにした。
同社によると、現在、日本では年間約650万トンのフードロスが問題となっている。フードバンクが期限切れ前の食材を回収し、必要な人に配布するなど有効活用を目指しているが、加工や流通段階で食用として使えなくなってしまうものも多く発生しているという。そこで同社では、廃棄素材を紙素材にアップサイクルすることで生まれる価値の一部をフードロス削減の活動に還元する。
また同取り組みは、経済産業省令和3(2021)年度「地域新成長産業創出促進事業費補助金」の実証事業の一部として実施しており、農林水産省の推進する食品ロス削減の国民運動にも参加している。
関連記事
- 全国のマクドナルドで「紙ストロー」提供へ 10月7日から おいしさにも考慮して開発
日本マクドナルドは、10月7日から全国のマクドナルドで紙ストローや木製スプーンなどを提供する。神奈川県や京都府の店舗で先行導入していたが、全国へ展開する形。年間で900トンのプラスチック削減を見込む。 - 日本のiPhone、世界37の国・地域で“最安” でも「買いやすさ」はイマイチ 低賃金が影響
ММ総研が、世界37の国と地域でiPhoneの販売価格を調査。その結果、9月に発売したiPhone 14シリーズの4機種全てで、日本が最安となった。一方、賃金に占めるiPhoneの販売価格の割合は18番目に低い結果となり、安さの割に購入しやすさはそこまで高くないようだ。 - ニトリ、不要なカーテンを回収 自動車の吸音材などにリサイクル
家具日用品大手ニトリは、不要になったカーテンを無料で回収し、リユース・リサイクルする取り組みを行うと発表した。事業拡大が環境負荷の増大につながらないよう、省資源・省エネを意識し環境配慮に努める。 - 深刻化する円安、高齢者ほど悪影響 値上げなどで購入を諦めた商品・サービスは?
政府・日銀が為替介入を行うなど、円安が深刻化している。特に食費や光熱費など、生活必需品に関する値上げも進んでおり、個人消費に大きな影響を与えているようだ。 - フードロス削減の優等生、1位は山口県 東北・北海道がランクインしない理由は?
凸版印刷などが「フードロスに関する意識調査」を実施し、全国の2万人以上から回答を得た。フードロスの削減に対する意識が最も高かったのは山口県(80.6%)だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.