かつては過激だったドンキの「コスプレ商品」に驚きの変化 担当者が語った“カワイイ”デザインの秘密:ハロウィーン商戦(1/4 ページ)
コロナ禍の影響で、ドン・キホーテのコスプレ商品のニーズに変化が見られるという。かつては過激な商品もあったが、開発時に重視する点も変化している。
ドン・キホーテで販売しているコスプレ商品の利用シーンが、コロナ禍で大きく変わっている。かつては若者が“密”になって集まるようなイベントなどで着用されていたが、コロナ禍ではどうなっているのか。商品開発を担当している飯山琢巳氏(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス ライフスタイルMD開発本部)に話を聞いた。
ドンキで取り扱っているコスプレ商品(コスチューム、カツラ、カチューシャやヘアピンといった小物など)は最大で約3500種類ある。ハロウィーンやクリスマスのような一大イベントの際には約4000種類に増え、国内約400店舗で取り扱うという。コスプレ商品に関して、ドンキは国内最大級のチェーンといえるだろう。
コスプレ商品の中でも売り上げが最も大きいカテゴリーはコスチュームだ。3000〜4000円の価格帯が中心で、幅広い層が購入しているが、ボリュームゾーンは10代後半〜20代前半の若者だ。店内で扱うのは、女性用アイテムのほうが圧倒的に多い。飯山氏は「仮に店内に棚が10本あるとすると、男性用は1本程度で、残りは全て女性用です」と説明する。
男性用の場合、警察官や囚人といったベーシックなものが売れる。一方、女性は細かい仕様にこだわる傾向があるので、トレンドや個別ニーズにしっかり対応する必要がある。
飯山氏は女性目線の「カワイイ」を研究するために、お客が普段チェックしていそうな通販サイトや雑誌に目を通している。また、SNSの使い方も確認している。アパレルのトレンドなども踏まえ、メーカーと商品をつくりこんでいる。例えば、今年のトレンドだと考えているものに「(動物の)クマ」と「チェック柄」がある。クリスマス用のサンタクロースコスチュームには、チェック柄のリボンと、クマをイメージした耳を採用している。
通常時におけるコスチュームの品ぞろえは、メイド、学校の制服、女性警察といったスタンダードなものが中心となる。一方、ハロウィーンやクリスマスといった一大イベントの際には、特別に企画した商品を投入する。例えば、ハロウィーン商戦では、キョンシーのコスチュームを企画した。ターゲットは、「ちょっと肌を見せたいけど、そこまで露出は多くしたくない」女性だ。そして、上半身を自撮りするシーンが多いことを想定し、顔まわりや上半身がきれいに見えるデザインにしている。
関連記事
- レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - なぜ女子の半分が泳いでないの? ジェンダーレス水着の開発者が語った“忘れられない光景”
フットマークのジェンダーレス水着が話題になっている。性の悩みだけでなく、さまざまな理由で「肌を隠したい」生徒のニーズに対応するのが狙い。開発者にその背景を聞いた。 - パソナの淡路島移転計画はどうなっている? 家族で引っ越した社員が語ったリアルな日常
パソナが着々と社員の淡路島移住を進めている。実際に働いている社員はどういったことを考えているのか。現地で増えている商業施設の状況も取材した。 - 290円ラーメンに250円定食 びっくりドンキー、幸楽苑、なか卯で進む「朝食革命」の正体
朝食に力を入れる外食チェーンや飲食店の動きが目立ってきた。ハンバーグ専門店「びっくりドンキー」、タピオカや台湾料理の専門店「春水堂」などが参入している。どのような戦略を打ち出しているのか。 - 「自信を持って接客してもらいたい」 制服をジェンダーレス化した「びっくりドンキー」「JINS」の狙い
ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」と、眼鏡専門店「JINS」が制服をリニューアルした。コンセプトの一つに「ジェンダーレス化」を掲げる。運営会社にその狙いを聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.