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“九州の覇者”コスモス薬品に、ウエルシアが真っ向勝負 ドラッグストア戦争の行方は?:小売・流通アナリストの視点(4/4 ページ)
ドラックストアの覇権争いが激化している。ウエルシアHDはイオン九州との合弁会社イオンウエルシア九州を設立した。「生鮮フード&調剤ドラッグ」の業態を展開する同社は、九州で圧倒的勢力を誇るコスモス薬品の牙城を崩すことを狙う。ドラックストア業界で何が起きているのか? 九州が覇権争いの最前線となっている理由は何か? アナリストが解説する。
トップの関東勢力vs新進気鋭の地方勢力 行方は?
主に九州、北陸で発祥した生活必需品ワンストップ&ショートタイム型のチェーンは今や関東や東北にも出店し始めている。
22年4〜8月の大規模小売店舗立地法の小売店新設届け出は69件あるが、そのうち22件はコスモス(福岡県)、クスリのアオキ(石川県)、ダイレックス(佐賀県)の3社で占めている。もう何年かすると、関東、東北にもこうした業態の店を普通に見かけるようになるだろう。
これらの店は、大型店のように一気に売り上げを奪う訳ではないので、知らないうちに店舗数が増えて、周囲を囲まれていた、という状況に追い込まれるらしい。出店すれば、一定割合のシェアを取っていくようで、対症療法はないため、地域シェアの低い店から順に追い込まれていく。
こうした新手の店舗が増えると、関東、東北のドラッグ、スーパーの競争環境はこれまで以上に厳しくなることは避けがたく、地域シェア上位店を目指して、切磋琢磨していくしかない。
巣ごもり需要の反動落ちに入ったドラッグ、スーパー業界の各社にとって、新たな難敵の出現はかなり悩ましいことだろう。
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