iDeCoも“増税”か 老後資金に迫る魔の手 「退職所得控除の縮小」がもたらす影響:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(1/4 ページ)
政府税調が打ち出した「退職所得控除の縮小」が大きな話題となっている。実現すれば、iDeCoの実質的な“増税”にもつながるなど、老後資金の形成に大きな影響を与えそうだ。
わが国で急速に進行する少子高齢化によって、現在50歳程度までの現役世代は、公的年金が“払い損”となるケースも増える見通しとなっている。金融庁は2019年に金融審議会市場ワーキンググループにて「老後資金2000万円問題」を提起し、公的年金以外で2000万円を工面するために資産運用をはじめとした老後への備えの必要性を強調した。
しかし、およそ1年前に発足した岸田政権は、資産運用で得られた金融所得の課税強化を掲げた。課税強化をしつつも資産形成を促す上では、NISA制度の拡充やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった非課税口座の活用が必要となってくるが、最近では「退職所得控除の縮小」という税制の変更がiDeCoに対する実質的な増税となるのではないかと囁かれている。
18日に開催された政府の税制調査会の総会では「退職所得控除について勤続年数にかかわらず控除を一定にするべきだ」という趣旨の意見が出された。背景には、勤続年数が20年以上になると有利になる「退職一時金」の税制が人材の流動性を阻害しているという意見があるとされる。この意見が反映されれば、同じく退職所得控除を使って税金を抑えられるiDeCoの支払い税額が上がってしまうことから、実質的なiDeCoへの増税ではないかと物議を醸した。
一見関連性のない「退職所得控除の縮小」と「iDeCo」だが、どのようなロジックで”増税”となるのか、順に確認していこう。
iDeCoはそもそも「完全非課税」ではない
iDeCoといえば「非課税」というイメージがあり、NISA口座と同じような制度であると思われる方も少なくはないだろう。しかし、iDeCoはNISAと異なり「完全非課税」ではない。具体的にいうと、iDeCoは「(1)掛金が所得控除の対象となり」「(2)運用益が全額非課税」となるが、「(3)受け取り時には税金がかかる」場合がある制度である。
関連記事
- 7割が「不満」 冬ボーナスの支給金額 3位「5万〜10万円」、2位「30万〜50万円」、1位は?
ヒューネルがボーナスに関する調査結果を発表した。最も多くの人が回答した金額帯はいくらだったのか? - 初デートで「なし」なメニュー 3位「ギョーザ」、2位「ジビエ」、1位は? ファミレス容認派の割合も明らかに
ホットペッパーグルメ外食総研が初デートでの「あり」「なし」ランキングを発表した。SNSで話題になることも多い「ファミレス初デート」容認派の割合や、「あり」「なし」な店・メニューが明らかになった。 - 温泉宿のクチコミランキング 3位「伊香保温泉 ホテル木暮」、2位「効能溢れる癒しの湯治宿 玉川温泉」 1位は?
楽天トラベルが「お風呂のクチコミ評価が高い温泉宿ランキング」を発表した。クチコミを基に、1〜10位までをランク付けしている。その結果、3位には伊香保温泉、2位は玉川温泉の宿がランクイン。果たして1位はどこだったのか? - 過去30年、カラオケで歌われた曲ランキング 3位「ハナミズキ」、2位「小さな恋のうた」 1位は?
JOYSOUNDを提供しているエクシングが、過去30年のカラオケ人気曲ランキングを発表した。1990年代から2020年代までの各年代や、アーティスト別、アニソンなど、さまざまなジャンルに分けてランク付けしている。 - 旧ロゴからどう変わった? ハンズが新たなロゴを発表 モチーフは漢字の「手」
ハンズが新たなコーポレートロゴを発表した。デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏がデザインしたもの。10月26日から順次使用を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.