安さが売りの「半額専門店」が急増中! ドンキやリサイクルショップにはない特徴とは?:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
「半額」を売りにしたチェーンが伸びている。「TOA mart(トーアマート)」「半額倉庫」「222(トリプルツー)」に勢いがあるが、それぞれの特徴は?
コンビニの跡地に入る
トーアマートはリアル店舗による営業なので、大量出店するにあたって、出店コストの問題をクリアしなければならない。
物件に関しては、コストを抑えるために居抜き物件を活用。150〜200坪の広さが理想だが、現状はもう少し小さめで100坪ほどの店舗もある。コロナの影響を受けて退店した、コンビニの跡地など元小売店の物件に入るケースが多い。飲食店の跡地には入らない。
これまで駅前の路面店を中心に出店してきたが、車で来てもらう方が顧客の利便性が高まるので、今後はロードサイド立地の店を重点的に開拓していく方針だ。
店舗開発の部署は、全国を飛び回っている。全国にまだ200店弱であり、北海道と九州の店舗数がやや多い程度なので、店舗数を大きく伸ばせる余地が十分にあると、同社では考えている。
課題は、人材の確保。過去に一気に店舗数を伸ばした「東京チカラめし」などは、出店のスピードに人材育成が追い付かず、自滅してしまった。
全国で人手不足が深刻化しているが、トーアマートでは職業紹介も活用して店舗スタッフを集めている。
基本は1店舗につき、アルバイトも含めて常時2〜3人で店舗を回している。
商品面では、冷凍食品を強化する。現状は、一部でアイスクリームを販売しているが、冷凍食品はほとんど扱って来なかった。しかし、管理コストが安く、顧客の来店頻度の向上に寄与するアイテムなので、前出・西澤部長は積極的に取り組みたいと力を込めた。
一方で、チルドや生鮮食品は、配送を含めて管理コストがかかり過ぎるので、扱わない方針だ。
また、雑貨では日常的に使う消耗品を強化する。お掃除シート、ウェットティッシュ、洗剤などといった類の商品だ。
アウトドア用品を含めて、シーズン性の高い雑貨も強化の対象。例えば、2980円のファミリー用テントは、プロのキャンパーには物足りないが、キャンプ初心者には刺さる商品だ。物価高の折でもあり、レジャーに関連する用品はチャンスがあると見ている。
自社製造の製品は、中国製が中心。中国の人件費が上がってきているが、東南アジアの各国よりも中国の労働者のクオリティーが高いという。
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