産業医が警告! 優秀社員の“突然の休職”を引き起こす、テレワークの意外な注意点とは?:どうやって防ぐ?(2/6 ページ)
テレワークには「やりすぎ注意」な一面があります。放置すると、優秀な社員が突然体調を崩して休職するなど、企業にとっても大きなダメージにつながります。どうしたら、こうしたリスクを減らせるのでしょうか。産業医の志村哲祥氏が解説します。
「テレワーク=悪」ではない
具体的な対策をお伝えする前に、テレワークは基本的にストレスを軽減させることについて、強調したいと思います。
テレワーク勤務をしていない人を含む、ビジネスパーソンを対象にした調査と、週1日以上テレワーク勤務するビジネスパーソンを対象にした調査を比較した結果、高ストレス者の割合自体は、20%ほど減少しています。
さまざまな要因が考えられますが、コミュニケーションの要因、睡眠時間の改善、通勤ストレスからの開放、働く場所の自由さなどが挙げられます。
例えば、通勤ラッシュ時のビジネスパーソンとパイロットや警官の心拍数、血圧を比較した調査では、臨戦態勢の戦闘機のパイロットや機動隊の隊員よりも、通勤ラッシュ時のビジネスパーソンの方が強いストレス反応が見られたとの報告があります。
こうしたストレスを避けられるという点は、リモートワークのメリットの1つです。
通勤に要する時間が減った分、平日の睡眠時間を増やせた人が多いことも、ストレス反応の軽減につながっています。
働く場所を自由に選びやすくなった点も、ストレスを低減させる要因の1つです。
千葉大学環境健康フィールド科学センターの研究では、森林内では都市部と比べ唾液の中のコルチゾールというストレスホルモンの濃度が減少し、心拍数が低下するなどの効果が確認されており、こうしたリラックスできる環境での仕事が、リモートワークや、移住やワーケーションで容易になった点は見逃せません。
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