「意外とおいしい」──日本初? ローソンの「プロテイン入りチューハイ」に反響 開発元は社員12人の中小企業(2/3 ページ)
ローソンが発売した「プロテinチューハイ」が、「意外とおいしい」などと注目を集めている。近年の健康志向や筋トレブームなどを背景に商品化したという。開発元の北海道麦酒醸造に開発の経緯などを聞いた。
開発のきっかけはローソン側からのオファー
開発のきっかけは「ローソン側からのオファーだった」と明かす同社。ローソンは12年以降、緩やかに糖質をコントロールする食事「ロカボ」(Low Carbohydrate、ロー・カーボハイドレート)を取り入れた商品開発に注力している。低糖質でありながら、食物繊維とたんぱく質を豊富に含んだ「ブランパン」はヒット商品となり、現在まで続くロカボブームの火付け役となった。
その後も「ブランシリーズ」として関連商品を開発するなど、健康志向のユーザーに向けた商品展開を特徴としており、糖質量に関する情報をパッケージに表示した商品が多い。
以前からローソン店舗限定でフルーツビール「フルーツブルーイング レモンラガー」「フルーツブルーイング チェリー&ベリー」(15年4月発売)を販売するなど、長年、関係を構築していた北海道麦酒醸造とローソン。21年11月には『攻殻機動隊』とコラボしたレモンサワーを開発し、販売していた。
異彩放った「ミルクサワー」に着想
そうした関係性から、ローソン側が同社の「北海道ミルクサワー」に着目。北海道産牛乳20%を配合したチューハイとして、業界内で異彩を放っていた商品だ。同様の発想で「チューハイにプロテインを混ぜると面白いのではないか」とローソン側から提案があり、“前代未聞”の商品開発が始まった。
開発する上でのハードルは高いものだった。前代未聞の組み合わせだった点に加え、健康志向のユーザーのニーズに応えるべく、カロリーは抑えつつ、味の質も維持しなくてはならないためだ。ミルクサワーの開発で培った知見を生かし、プロテインと炭酸の理想の配合率を追い求めた。こだわりとして、人工甘味料を使用しない自然な味と飲みやすさの両立も目指した。
試行錯誤の末、“日本初”のプロテイン入りのチューハイが完成した。同社は「企業秘密もあるため、詳細は明かせない」としつつ「配合など仕組みそのものは、そこまで大したものではない」と説明した。
販売開始後、Twitter上では「甘さ控えめのスコールに近く、意外とおいしい」などの声が出ている。こうした反応に対し、同社は「作り手としては『意外とおいしい』というのが最高の誉め言葉。お客さまにおいしく飲んでもらうとともに、企業としては今後も北海道の素材を生かした商品開発を進めていきたい」としている。
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