レジ横の「コンビニおでん」が減っている!? ファミマとローソンに聞いて分かった背景:コロナ禍の影響(1/3 ページ)
レジ横で販売されているコンビニおでん。コロナ禍をきっかけに、取り扱う店舗数が減少傾向にあるようだ。大手3社の戦略を調べた。
コンビニ大手で、おでん鍋を展開する店舗が減少傾向にあるようだ。
ファミリーマートは2019年には約1万6000店舗で展開していた。しかし、20年からは販売推奨の対象から外して、選択制に移行。同年9月15日からおでん鍋を展開し始めた店舗は約4800店舗にとどまった(気温の変化によってその後の設置店舗数は変化する)。おでん鍋の設置を加盟店の判断に委ねたのは、仕込み作業などの負荷を減らし、食品ロスを削減するのが目的だった。
同社の広報担当者によれば、コロナ禍により「衛生面を気にするお客さまが増えた」ことも影響したようだ。ファミマも含めた大手コンビニでは、20年からおでん鍋のふたを常に閉めた状態にしたり、鍋の前に飛沫防止パネルを設置したりといった対応をした。
おでん鍋を設置しない店舗では、おでんが買えなくなったわけではない。自宅で食事をするシーンが増えたことも踏まえ、レンジであたためて食べるタイプの商品などを取り扱うようになった。
選択制に移行した翌年となる21年はどうなったのか。ファミマがおでんの発売を開始した同年9月7日時点で、鍋を設置したのは約3800店舗だった。もちろん、気温が下がってくればおでん鍋を設置する店舗数は増えるが、選択制によって19年比で大きく落ち込んでいるという状況は変わらない。
22年のおでん商戦も始まっているが、ファミマでは今年もおでん鍋の設置については選択制にしている。広報担当者は「コロナの影響も落ち着いてきており、人流も戻ってきた。おでん鍋を設置する店舗も増えるのではないか」と説明する。
ファミマでは、鍋以外でもおでんの販売方法に変化が見られる。21年には、具材の価格を「90円」「110円」「120円」の3価格帯に集約した。今年は、「牛すじ串」(130円)以外の全ての具材を108円に統一した。広報担当者は「ほぼワンプライスにすることで、お客さまが計算しやすいようにするのが目的」と説明する。また、23年2月24日まで、毎週金曜日は全品20円引きのセールを実施している。
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