値上げラッシュでも「価格維持」のシャトレーゼ クリスマス商戦の秘策は「フォルムチェンジ」にあり(1/3 ページ)
さまざまな領域で値上げラッシュが続く中、5月に「値上げしないことへの挑戦」を発表し、話題となったシャトレーゼ。最大の書き入れ時であるクリスマス商戦も、価格を維持して臨む構えだ。背景には2つの戦略が潜んでいる。
そろそろ寒くなり始め、冬の到来を感じる季節となっている。クリスマスや年末年始商戦を控え、企業各社では福袋やクリスマス商品などの発表ラッシュが続く。一方で気になるのが、「価格」だ。
電気・ガスや食品など、さまざまな領域で値上げラッシュが続いている。
帝国データバンクの発表によれば、10月に値上げする食品の品目数は6699品目。9月までに1万3066品目の値上げが確認されており、同社によると、これまでの値上げで1世帯当たり年間7万円の負担増になっているという。12月までの予測を含めると、2022年は2万品目超の値上げがなされることになり、年間の平均値上げ率は14%に及ぶ。
こうした中、気を吐くのがシャトレーゼだ。同社は5月、「値上げしないことへの挑戦」を発表。原材料の価格高騰が続く中でも、自社努力を通して価格維持に努めるといった旨のポスターを店頭やWebサイト上に掲示して話題となった。
同社は1年の中で最も大きな書き入れ時であるクリスマス商戦でも、価格維持を標ぼうする。デコレーションケーキ36品、小物ケーキ12品をラインアップし、定番商品の「Xmas プレミアム苺デコレーション」(15センチ・4860円)を中心に、前年同様の価格を維持。広報担当者によると、原材料費の高騰は足元で12%ほどに及んでおり、「いつ“バンザイ”するか分からない状態」と本音を漏らす。
また、消費者の間では価格を据え置きながら内容量などを減らす「ステルス値上げ」への警戒感も強い。この点については「お客さまはとても敏感だ。幸い、SNSなどを見ていると当社の値上げに寛容な意見も散見する。どうせ値上げするなら、潔く値上げする」とした。
なぜシャトレーゼは価格維持を続けられるのか
値上げラッシュが続く中、シャトレーゼが価格維持を続けられる背景には、原材料費の高騰に強いビジネスモデルや、さまざまな企業努力が潜んでいる。
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