マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか:高根英幸 「クルマのミライ」(5/5 ページ)
マツダCX-60の販売状況が、なかなか好調のようだ。人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。それにしても、3.3Lもあるのに、なぜ燃費がよいのだろうか。
この先、EVだけではやっぱりすべてのモビリティをまかなえないとして、エンジンに頼るという状況になったとき、ガソリンエンジンよりもディーゼルエンジンのほうが優先される可能性が高いのである。
再生可能エネルギーに対する各パワーユニットの対応の図。バイオ燃料でガソリンエンジンを走らせるには、製造コストの問題が課題となるが、ディーゼルは燃費が低い上に柔軟に対応できる。カーボンニュートラルを目指すには、BEVだけでなく多様性と柔軟性が重要な要素となる(出典:マツダ)
エンジンにはもう未来がない、と思う人はエンジンのもつ可能性をまだまだ知らない。特にディーゼルエンジンは、今後必ず復興を遂げるだろう。
なお、CX-60のリアサスペンションが動きが渋く、乗り心地に影響しているという意見が多く、筆者が試乗した個体でもそのような印象が見られた。これは量産試作にみられる個体差が原因として大きいようで、販売される車両ではかなり解消されているようだ。これについては次回以降で、きっちりと検証していきたいと思っている。
筆者プロフィール:高根英幸
芝浦工業大学機械工学部卒。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。これまで自動車雑誌数誌でメインライターを務め、テスターとして公道やサーキットでの試乗、レース参戦を経験。現在は日経Automotive、モーターファンイラストレーテッド、クラシックミニマガジンなど自動車雑誌のほか、Web媒体ではベストカーWeb、日経X TECH、ITmediaビジネスオンライン、ビジネス+IT、MONOist、Responseなどに寄稿中。近著に「ロードバイクの素材と構造の進化(グランプリ出版刊)、「エコカー技術の最前線」(SBクリエイティブ社刊)、「メカニズム基礎講座パワートレーン編」(日経BP社刊)などがある。
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